「孤独」のもたらす功罪を考える②
「孤独」に忍び寄るのは、「こころの病気」も、またしかりだ。
家族に先立たれた、疎遠になった、恋人と別れた……
そういったことをきっかけにしてひきこもるようになり、
やがて精神疾患を発症してしまうことは、決して珍しいケースではない。
それに、「孤独」により精神のバランスを崩せば、
誰かに依存しすぎてDVやストーカー行為に発展してしまったり、
あるいは薬物などに依存してし ...
「孤独」のもたらす功罪を考える①
先日の「消費し、消費される人生」、「持ちつ持たれつお互い様」
の記事でも少し触れていることだが、
高齢者をターゲットにした詐欺(限りなく詐欺に近い商売も含め)について取材をしていた際に、
弁護士の先生が、「これは家族の構造的な変化がもたらした、社会問題だ」と言った。
どういうことかというと、これまで日本人というのは、
「家族」「会社」「地域社会」といったものに、無条件に守られてきたわけだが、
...
礎となる愛情
人間力のある奴、魅力のある奴、秀でた能力のある奴、
反対に、社会適応できない奴、凶悪な事件を起こす奴……
この礎は、幼少期に親からどれだけ愛情をもらったかで決まるのではないかと、
俺は確信を持っている。
もちろんなかには、親を知らずに育ち、それでも立派なひともいるが、
そういうひとは、常人には計り知れないような苦労、きつい思いをしてきているので、数は少ない。
ここでは ...
価値観がゴロリと
今や、ほとんどのひとが一定の教育を受けることができ、
職業や結婚(恋愛)など、ようするに生き方全般を、
自由に選択できる時代になった。
しかし、本当に自由かと言われればそんなことはなく、
多くのひとが、“生きづらさ”なるものを抱えて生きている。
自由とは何か、教育を受けるとはいったい何か、と思いたくもなる。
問題を抱える家族からの相談を受けて ...
壊れるものと壊れないもの
俺は昔から、“もの”に対する執着が薄い。
今、身の回りにある持ち物にしても、思い入れのあるものはほとんどないし、
もし何かの事情で今すぐそれらを手放すことになっても、
たぶんそんなに落ち込まない。
18歳で親元を離れてから、根無し草みたいな生き方をしてきたから
“もの”に対して執着しないという癖が、ついてしまったのかもしれない。
一般のひとか ...
魔法なんてないのだ!
目先の金や物にとらわれるひとの、いかに多いことか……と思う。
本物の価値というのは、ひとのこころとか、人間のつながりとか
そういう無限大のもののところに、あるのにな。
家族の問題を扱っていても、同じことを感じる。
目先の答え、目先の解決策に飛びつく家族(親)が、本当に多い。
たとえば、俺の事務所にかかってくる問い合わせの電話でも、
その電話だけで、子供の問題を解決する ...
点と線
ここ数日、精神科病院に入院している本気塾の塾生から、
一日に十回も二十回も電話がかかってきている。
「退院したい」と言ってみたかと思えば、
「調子が悪いので、まだ入院していたい」と言う。
「小遣いを送ってくれ」「生活保護を受けたい」「子供が生まれました」
……などなど、妄想まじりの発言もある。
本気塾の塾生など、俺が携わっているひとたちは、おおむねこんな感じである。
キチガイ的特性
「年をとると丸くなる」とよく言うけど、
ほんとかなー、と俺は疑いを持っている。
むしろ人間は年をとるほど、
その人の持つおかしな癖、キチガイじみた性質などが、
どんどん色濃くなってゆくのではないだろうか。
俺が知る限り、サラリーマンでもフリーでも、
人間力があって、いい仕事をしているようなひとは、
どこか、おかしいところを持っている。
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交通整理
問題行動を起こす子供を抱える家族が、第一に考えるべきことは、子供の状態が
「病気として治療すべきなのか、
犯罪として立件(更生)させるべきなのか」
どちらにあるのか、ということだ。
最近は特に、この境界線をめちゃくちゃにしている家族が多い。
たとえば、統合失調症の症状(妄想、幻視、幻聴)が理由で暴れているなら、
精神科医療につなげて、病気の治療をすべきである。
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オオゴトをキャッチする
同じヤバい出来事に遭遇しても、
オオゴトと思うひともいれば、思わないひともいる。
何をオオゴトとみるか、取るか。
その時点で、すでに勝負は決まっているのかもしれない。
俺の場合、感覚・感性で「ヤバいな」と思った時ほど、
その問題を解決するために、全力を出す。
それ以外の時間はもう、その場をしのぐための対処法にしかならないからだ。
...
いい環境がいい人間を作るのか?
子供を持つ親ならば、いい環境で子供を育てたいと、当たり前のように思うのかもしれない。
いい住まいに住み、いい洋服を着せ、いい物を食べさせ、いい教育を与え……
しかしそれらが、本当にいい人間をつくるだろうか?
親が与えた環境により、子供が「自分はすごい人間だ」と勘違いする。
そういうことは、往々にして起こりうることである。
環境に見合うだけの努力ができたり、早いうちに挫折を知ったり ...
命なんだよ
俺も時々は、自分が今までにやってきたことを、
振り返ってみたりする。
仕事の質は微妙に変化し、守備範囲も広がってきたが、
俺が言いたいこと、言ってきたことって、
ずーっと同じなんだなってことに気づいた。
それは「命を大事にしろ!」ということなんだ。
病気なのに医療にかかっていない、
違法薬物をやっている、自傷行為を繰り返している、 ...
いい躾からいいオーラが出る
親からきちんと躾けられた人間は、
それだけでいいオーラを放っている。
最近知り合った若い奴を見ていて、そう思った。
彼はまだ学生なんだけど、最初に会ったときから
「こいつはいい奴だな!」と太鼓判を押せるものがあった。
ほかの人間と何が違うのかと考えてみると
挨拶や返事、電話の受け答えといった基本的な所作が、
丁寧で明るくて、スキッとしている。
...
分をわきまえる
親は仕事もできて人間として立派でも、
子供にも同じ能力があるとは限らない。
むしろ、二世は一世に劣る。
そういう見方が一般的ではないだろうか。
そこで、本当に物の分かっている親は何をするか。
子供に、「分をわきまえる」ことを教えるのである。
たとえば、ある大企業の社長は、行きつけの鮨や(銀座の超有名店)に、
決して自分の息子を連れ ...
金がないない
金があるのに「ないない」と言い聞かせて子育てすると、
トンデモナイ子供ができあがる。
そうやって育てられて、すっかり歪んでしまった人間を、
俺は10人くらい知っている。
こいつらは大抵、親から「勉強しろ」「いい大学にいけ」
と強烈に言われて、あるいは空気で伝えられて育っているんだけど、
一方で「金がないから私立はだめだ」とか言われている。
結局、国立にいけなくて、奨学金で大学を卒業 ...
母親の帝国
昨日の記事と関連することでもあるが、
こころの病気になったり、あるいは犯罪を犯してしまったりする
子供(といってもすでに10~30代)の過去を紐解いていくと、
母親からの呪縛に苦しめられているというケースが、往々にしてある。
子育ては母親の責任だ、と決めつけたいわけではない。
だが、子供に直に接する時間やその密度は、
父親は、母親にはかなわない部分があるのは確かだ。
空想を生きる
仕事で受けている相談業務ではなく、
たとえば飲み屋でたまに顔を合わせるようなひとから、
突如、複雑な家庭の事情や家族の問題など、
ヘビーな話を打ち明けられることが、よくある。
おそらく俺自身が、会話のなかで、
相手のこころのボタンを押すような言葉を、
投げかけてしまっているのだろう。
初対面の相手と話す内容なんて、
仕事のこと、生まれた場所、育 ...
失敗を褒める
仕事上の失敗に対して、
上司から「よくやった」と言われた、
という話を聞いた。
これは、度量がなければ言えないセリフだ。
この上司は、成功ばかり続いている件に対しては、
「ヤラセでもやってんじゃないのか?」
と疑いを持っていたともいう。
やる気がない、同じ失敗を繰り返すなどは論外だが、
一生懸命やっていても、失敗するこ ...
責任
この間、新潟の剣山製作会社で仕事の話をしたときに、
そこの社長が、
「製品に対しての責任は、自分がとりますから」
ということを、きっぱりと言い切った。
最近は、こうやって言い切る大人に、
あまり出会えないと、俺は感じている。
だから俺は、社長のこの言葉だけで感動し、
社長のために、俺も精一杯頑張ろうと、
こころから思った。
「責任を ...
子供に何を教えるか
少し前になるが、
「成績は保護者の年収や学歴も影響 文科省分析」
というニュースが出ていた。
小学6年と中学3年を対象にした全国学力テストの結果を分析したところ、
世帯収入や保護者の学歴が高いほど成績が良いことが分かった、というものだ。
(毎日新聞 2014年03月29日)
ずいぶん昔から、こういう類のことは耳にしてきたし、
いろ ...