年の瀬に思う
街を歩けば、人はみな、どこかせいたような顔つきで通り過ぎてゆく。
俺は長いこと、24時間365日体制の仕事をしてきたので、
カレンダーの感覚が抜け落ちている。
他人様の顔を見て、いよいよ年末だなあ…と感じるだけである。
明日辺りからは、道ゆく人の顔も、新年を待つ明るいものに変わるのだろう。
こんな俺でも、この時期にはぼんやりと、今年の出来事を振り返ったりする。
今年中に、あれとこれを決着つけて ...
人間の器
俺が思う「器の大きい人」の「器」とは、大きいことはもちろんだけど、シンプルで割れにくい。何をのせても耐えうるだけの、厚みがある。
料理で例えれば、美味い飯や見栄えのする美しい料理だけじゃなく、まずい飯も、それこそ冷や飯でも、必要とあればのせられる、そんな器だな。
そして「器の大きい人」の根底には、「他人様のため、世の中が少しでも良くなるために、自分ができることをやる!」という、これまたシンプルかつ強度のある、絶対軸があるような気がするな。
時代を狂わす40代②
昨日、書いた「時代を狂わす40代」は、なかなか反響があった。ブログのコメントは「0」だけど(笑)、個人的に連絡をくれて「押川さん、よくぞ言ってくれた!」と言ってくれた人もいた。思い上がった40代の奴らは、この事実を胸に刻んだほうがいいと思うぜ!
調子に乗って、昨日書き忘れたことを、追加で書いておく。まずは俺が発見した、「時代を狂わす40代」の特徴だ。
よく観察すると、「仕事」と呼べることを何もしてない。ただし、「仕事をしているフリ」はうまい。時代を狂わす40代①
俺は1968年生まれの45歳であるが、2013年の今現在40代の奴らは、「一番ずるい世代」だと、断言する!
俺は今まで、仕事を通じていろんな世代、業種の人と知り合い、ときには一緒に仕事をしてきた。俺は自分より上の世代、下の世代の人とはわりと気が合うのだが、同世代の40代の人間とだけは、合わないことが多かった。というより、俺は同世代の人間から、めちゃくちゃ嫌われる。会っても目も合わせてもらえないくらいだ(笑)
最近になってようやく、向こうから見ると、俺みたいな人間って ...
すてきな人
俺はこの間、すごくすてきな人に会った。
ここではMさんとするが、とある信頼のおける人からの紹介で、ビジネスの話をするために会った。Mさんは俺に会うなり、その信頼のおける人の名前を出し、「あいつから、押川ちゃんに会ってくれって泣きの電話が入ったからさ。あいつの涙、止めてやらなきゃならんだろ」と言って、握手を求めてきた。
Mさんは、その業界では「伝説の人」である。過去に、業界では誰もが知るほどの業績を残しているのだ。でも今や、そんな素振りは微塵 ...
ピンチのときに何を思うか
45年も生きていると、人生にはいいことも悪いことも、まるで波のように、周期的に訪れるものだと感じさせられる。
ここのところ、これは大きな挑戦だな、と思うような出来事が続いているが、振り返ってみると、10年、20年前にもあった出来事が、形を変えて再び訪れているのである。
「この事態をどう乗り切るか」「この選択、どちらをとるか」気がつけば俺は、かつてと同じような危機に直面し、選択を迫られている。
こんなとき俺はいつも、より困難なほう ...
認められたい願望
「押川さんはいつもポジティブですね」「前向きですね」と、よく言われる。たしかに俺には、「落ち込む」ということが、ほとんどない。「あ~」とため息が出るのは、懐がさみしいときくらいである。それだってこの年になると、なんの根拠もなく「まあ、なんとかなるだろう!」と思えるものである。
どうして落ち込まないのかと考えてみると、そもそも俺は、ひとから「認められたい」「褒められたい」という願望が、ないのである。
だから、人から誹謗中傷を受けても平気だし、 ...
気を遣う
つい先日、俺はとあるDVDが観たくなって本棚を探し、そういや、知り合いの若い奴に貸してたっけ、と思い出した。貸してからずいぶん日が経っていたこともあって、すっかり忘れていたのだ。
俺はすぐに、そいつに連絡した。そしたらそいつは開口一番、「返そうと思っていたんですけど…仕事が忙しくって…」とかなんとか言い訳をはじめた。俺はなんだか、「返してくれ」って言った自分が悪いような気になっちゃって、「お前、暗い声してんなあ…なんかあったのか?」「あのDVD、どうしても観たくなってさ」などと ...
ハト
俺の事務所の近くに、小さな公園があるんだけど、通りかかるといつも、誰かしらがハトにエサをやっている。上野公園なんかも有名だけど、ハトにエサをやる奴って、日本中にいるよな。俺は別に、ハトは好きでも嫌いでもないし、エサをやることに対して文句があるわけでもない。
だけど、ハトの動きを見ていると、なかなかおもしれーな、と思う。あいつらは、誰かがエサをばらまいている限り、そこに群がって食い続けている。その人のエサがなくなると、「さよーなら~」とばかりにいっせいに飛び立つ。そしてまた別の、 ...
スペシャリストいろいろ
俺が何のスペシャリストか? ということについては、昨日の記事で書いた。だけど、俺みたいな一民間人が、スペシャリストを名乗ることに、違和感を抱く人もいるかもしれない。俺は、どこの専門機関にも属していないし、国家資格も持っていないからね。
でも俺は、命の危険にさらされる「グレーゾーン」の現場ほど、どこに所属しているかというバックボーンや、肩書き、資格の類が、意味をなさない場所はない、と思っている。
俺が扱っている「グレーゾーン」は、イコール「超絶な闇」と置き換えることも ...
俺は何のスペシャリストか
俺が、ひと様より多少は優れていると自信をもっていえる能力は、ヤバい現場に行って、説得によって問題を解決できる、ということだ。ヤバい仕事ほど燃える人間は、一定数いる。安定を求める訳でもなく、損得抜きでヤバそうな案件に進んで首を突っ込む。俺はまさにそのタイプである。
ちなみに俺が言うヤバい現場とは、「殺される」「死ぬ」など、命の危険にさらされる現場のことだ。俺がこれまでに扱ってきた、ヤバさ100%のケースを以下に挙げる。
・子供が、親や家族を刃物で刺す、ゴルフクラブやダ ...
悪いうわさ ウェルカム
仕事の内容が特殊なせいか、定期的にテレビ業界の人間から「取材させてください」っていう依頼が舞い込んでくる。
一番初めは、「精神障害者移送サービス」を始めて3~4年が経った頃だったな。俺は当初から「説得」を前面に出して移送をやっていたんだけど、テレビの奴らは、「そんなことほんとにできるんですか?」って、ハナっから懐疑的な口調で、俺の事務所に来た。「どうせ“口からでまかせ”なんだろ? その嘘を俺たちが暴いてやるぜ!」みたいな勢いで、俺はマスコミってこういう感じなんだ…って、嫌な印象 ...
夢と希望と勘違い
俺のところにくる相談で意外と多いのが、トラブルを抱えた若い女の人の案件だ。
そもそも、俺は「本気塾」でいろんな若い人を預かってきたけど、男性に共通しているのは、「働かない」「働くことが嫌い」ってことだった。その点、女性陣は、「働く」ことに関してはすごく前向きだし、実際に仕事をさせれば、一生懸命、真面目にやる。
なんでそんなふうに真面目に働くことができる女の人が、トラブルに巻き込まれて、俺なんかの助けがいるようになるのか。詳細は違えど、本質の ...
宝島鼻歌
こんな俺だけど、昔は、ひどく落ち込むこともあった。とくに仕事がうまくまわらなくて、もっぱら懐が寂しい時に、そういう状態になった。
まだ警備会社をやっていた頃のことだ。しょせんは個人経営の会社だったから、仕事もお金もまわらない厳しい時期っていうのが、定期的に波のように押し寄せてきていた。
気力どころか食欲もわかなくて、なんだかずっと体調もすぐれないし、これがうつ病ってやつかなあ…なんて思ったよ。
俺はあるとき、この“うつっぽい落ち ...
3なし
若いときは、「金なし」「コネなし」「学歴なし」の押川だった。
今は「組織に属さず」「国家資格もたず」「助成金もらわず」の押川になった。
いよいよ何もない!
ここからが勝負だ。俺は第二ステージの扉をこじ開け、邁進する!!
「老いる」という成長
新聞や本など、遠くに離さないと文字が見えなくなった。
顔の皮膚がたるんで、しわも目立つようになった。
年寄りに生えるような、太くて長い眉毛が生えてきた。
頭の毛もだんだん薄くなってきた。
白髪がぽつぽつと増え、鼻毛の中にも白髪を見つけた。
気づいたら、き○タマにも白い毛が生えていた。
俺は今年、45歳になった。最近は視覚的にも、「老いる」という成長を感じている。
老けることを嫌がる ...
二人の兄弟
仕事に向き合うとき、「どうやってモチベーションあげるか」ってよく言われるけど、俺はむしろ、仕事そのものからモチベーションを得ていることが多いな。
この間も、俺の心を揺さぶるような仕事の依頼があった。依頼主は母親だったんだけど、事務所での相談の席には、二人の息子も同席した。二人ともまだ学生で、あどけなさが残る顔をしていた。
この母親の夫、つまり兄弟の父親は、数年前から精神を病みはじめて、繁華街のど真ん中で上半身裸になって叫んだり、自宅でバッド ...
暗記人間
昨日の記事で俺は、「暗記力がある」=「頭がいい」っていう風潮に疑問を投げかけた。それをまざまざと俺に見せつけてくれた、T男(仮名)の話をしようと思う。
10年以上前、俺がトキワ警備という会社をやっていたときに、ホームページを作ろうと思って、知り合いからこのT男を紹介してもらった。T男は大学卒業後、自分でWEB作成の会社をやっていたんだ。
初めて会ったとき、T男は腰が低くて、悪い奴には見えなかった。信頼していた人の紹介ってこともあって、俺は仕 ...
「頭がいい」ってなんだ?
俺はしょぼい大学をしかも中退した男だけど、これでもガキのときは、「頭がいい」って言われてた(笑)。……まあ地方の田舎のこと、しかも中学のときまでの話だけどな。
中学では、色んな地域の成績優秀者が選ばれる、「リーダー研修」ってやつにも選ばれたことがあって、俺は調子にのっていた。「勉強なんて、ちょろいもんだぜ」「本気出せば楽勝だな」って、余裕こいてた。でもそのうちに、なんか違うぞって気づいたんだ。
だって進学校を目指している奴の勉強量って、とんでもないんだよ。部活にも入 ...