気持ち!「人間臭い」コラム, 押川の「人間臭い」生き様

数年前、福岡で自立・更生支援施設「本気塾」を立ち上げた。

施設といっても、そんな立派な建物じゃなくて、古い一軒家である。家庭内暴力、ひきこもり、薬物やゲーム、ギャンブル依存なんかで道をあやまった若い(悪い)人たちの、更生や自立を手助けしたいと思ってつくった塾だ。

 

そんなわけで俺は、だいたい月に一回は、東京と福岡を往復している。時間がないときは飛行機や新幹線をつかうが、車で移動することもある。

これはこの間、福岡から東京に戻ったと ...

気持ち!「人間臭い」コラム, 押川の「人間臭い」生き様

誰もがうらやむような大企業に勤務して、なおかつ相当な上のポジションにいるのに、「しょせんはサラリーマンですから」って言う人がいる。この人は本質が見えているんだなあ、と、感心することしきりである。

企業に属している以上、 どんなに高い能力や素晴らしい人格を持ち合わせていても、ちょっとしたミスや部下の失態…、そんな理由でレールから外されてしまうことがある。そういう理不尽な目に遭っても、サラリーマンに文句は言えない。大企業であればあるほど、一度失格の烙印を押されたら、二度と這いあがれ ...

気持ち!「人間臭い」コラム, 押川の「人間臭い」生き様

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仕事がら、様々な業界の人と会って話す機会がある。そのなかで最近とみに感じるのは、どの業界もみんな「金」のほうばっか向いてるな、ということだ。

どうやって金儲けするかってことだけじゃなく、どうやって金(経費)を使わずに仕事をするか。どうやって他人の懐から甘い蜜を吸うか。景気がよかったときの、明るいギラギラした感じじゃなくて、もっと切羽詰っているというか、ちょっとセコイというか、そんなふうに感じるときがある。今後ますます、その傾向は強くなるんだろう、とも思っている。

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事務所の近くのコンビニで、ペットボトルのお茶を買って店を出たら、大勢の人が新宿駅の方に向かって、ぞろぞろと歩いていた。近くにある新宿文化センターで催しものなんかがあった日には、こうやって大勢の人がぞろぞろ歩いていたり、横断歩道でたまっていたりする。

俺は、その人ごみを避けるようにして歩き出した。そしたら! 人ごみの中から一人のおばちゃんが飛び出して来て、俺の腕をガシッとつかんだ。

「ちょっとちょっと! あんたテレビに出てなかった? 危ない仕事で……」

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それにしても。

世の中には、だらっとした奴が蔓延しているな。

 

俺はふだん、現場に出ているか、仕事がらみで人に会っているか、二丁目のおかまバーで酒を飲んでいるか、行動範囲は意外と狭いんだけど。でも、いたるところで、だらっとしている奴を見かけるぜ。

まあ、飲みの席なんかではそれでもいいけど、気合いを入れなきゃならん状況でも、だらっとしている奴がいると、本当に困ったなーと思うよ。

頭も顔も性格も全部ワルい奴に限って、立ち居 ...

押川の「人間臭い」生き様

俺の事務所は、昭和54年建造、耐震対策「オールzero~♪」の賃貸雑居ビルにある。明治通りを挟んで向こうは歌舞伎町。おかげで年がら年中、パトカーと救急車のサイレンが聞こえてくる。

18年前に入居した当時はそうでもなかったんだけど、最近はホストが集団で住んでいたり、中国語で喧嘩する声が聞こえたり、妙ちきりんなアロマの匂いが廊下に漂っていたり……、いい感じにでたらめな雑居ビルに育ってきた。

部屋の改修工事のときなんかに、エレベーター内の壁に緩衝材が張り巡らされることがあ ...

気持ち!「人間臭い」コラム, 押川の「人間臭い」生き様

俺は小倉(現北九州市)で生まれ育ったのだが、ガキの頃は、夏休みのたびに東京に住む叔父の家に、一人で遊びに行っていた。

 

当時、新宿には、超高層ビルがぽこぽこと建ちはじめていて、俺はそれを、テレビでよく見ていた。ニュース番組で、福岡から東京のニュースに切り替わる時に、必ず新宿の高層ビルのシーンが流れていたんだよ。

だから東京に遊びに行って、初めて実物を目にした時には、嬉しかったし、驚いた。想像以上にでっかい建物が、どうだ!とばかりにズドンとそび ...

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この間、テレビ業界のディレクターと酒を飲んでいて、なるほどなあと思ったことがある。

そのディレクターは、俺より若くて、ほとんどフリーの状態で映像の仕事をしている。彼は言った。「僕はずっとディレクターの仕事がしたいんですよね」。

 

ディレクターというのは、完全に現場の仕事だ。ネタになりそうな現場を探して、取材相手と人間関係を作り、昼夜関係なくカメラを回す。もちろん知識とかセンスも必要なんだろうけど、 内情を知れば知るほど、肉体労働だよなあと思う ...

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俺はときどき、新宿二丁目のオカマバーで酒を飲むんだけど、

 

なぜか、店に飲みに来ている20代の若い人から、「自分はこの先、どうやって生きていけばいいか」 って相談されることが、よくある。「有名大学を出て、一流企業にも就職したけど、なんか、うまくいってなくて」ってやつだ。

よくよく話を聞いてみると、「有名大学出身だから」とか「一流企業に就職したから」とか、その時点でもう頭の中が「オールOK!」のお花畑になっちゃってる。あまりに危機管理能力がなさ ...

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俺の仕事を簡単に言うと、「人に会って話をする」ってことに尽きる。

もともとは、病識のない精神疾患の人を、「医療機関で治療を受けましょう」と説得する仕事(精神障害者移送サービス)に始まり、この十年くらいは、違法薬物、詐欺、傷害、窃盗、ストーカー…… なんていう犯罪を犯した人と、話をする機会も増えている。

 

「なぜ押川さんはヤバい人たちを説得できるんですか?」っていうことを聞いてくる人がたまにいる。シンプルだけど、すごく答えにくい質問だよな(笑) ...

気持ち!「人間臭い」コラム, 押川の「人間臭い」生き様

 

もう30年も前の話だけど。

高校に入学したばかりの頃、学校帰りに自転車こいでたら、 どっかからギャーギャーワーワーわめく声が聞こえたんだ。

俺はてっきり、自分が呼ばれているのかと思って、声のするほうに近づいた。

そしたらそこには精神科病院があって、わめき声は、病室の窓から聞こえていた。

 

窓は背伸びしても届かないくらい高いところにあったんだけど、

俺は俄然、興味がわいてしまってさ。 ...