自由な時間をなくせ!
こころの病気のひとが精神科病院に入院すると、
程度の差はあれど、良くなるのはなぜか。
治療や投薬の効果はもちろんだが、
他者が介入する、という側面があることは、
非常に大きいのではないだろうか。
精神科の病棟は、基本的に他の患者との相部屋である。
もちろん個室や保護室もあるが、
医師の回診や看護師の見回りがあり、
「まったく一人の時間」というの ...
ペコちゃん
生きていて働いていれば、
ひと様に頭を下げなければならないことも、たくさんある。
謝罪にしても、何か頼みごとをするにしても、
「このひとに頭を下げられちゃあ、しょうがねえな」
と相手に思ってもらえるような、頭の下げ方。
それが、年くったおっさん、おばさんのあるべき姿じゃないかと
俺は思っている。
ところが反対に、年をとるほど、ペコペコペコペコ……
ガタガタ言うてる場合かっ!?
若いときはデタラメばかりやってきた俺だが、一つラッキーだったのは、
「すでに答えが出ている物を暗記だけしてもしょうがない。
そんなヒマがあったら、自分で考えろ!」
ということを教えてくれる大人に、たくさん巡り会えたということだ。
たとえば俺の母親もそういうタイプだったし、
高校にも大学にも、そんなことを言っている先生がいた。
彼らに共通していたのは、過去の歴史を踏まえ ...
俺の説得
昨日の記事の続きで一応、言っておくと
患者さんと楽しくラーメンを食べるところまで含めて、
俺にとっての「説得」なんだよなあ。
今回のような移送にしても、本人への面会にしても、
あらかじめ調査もするし、シミュレーションもこれでもかっていうほどやる。
でも本番になってみれば、予想外の出来事の連続だ。
時間のズレや状況の変化、関係者の都合、急な悪天候など……
患 ...
今年最高のラーメン
昨日は、ある患者さんのグループホーム入所に同行した。
この患者さんは、重度の統合失調症で、
家族から相談を受けて俺が介入したときには、会話も成り立たず、
社会性をまったく失っている状態だった。
俺は、本人を説得してまずは医療につなぎ、
その後も面会などを重ね、人間関係を育んできた。
入院治療により症状は改善したものの、問題行動やトラブルがない ...
真実を知る
本気塾などで、若いひとに携わるとき、俺が何をしているかと言えば、
真実に気づき、それを教えているにすぎない。
一つは、本人が行っている違法行為や、倫理道徳からはずれた行為だ。
薬物など自覚してやっていることもあれば、
他人に乗せられ、無自覚のうちに犯罪の片棒を担いでいることもある。
これに関しては、法に照らし合わせ、駄目なものは駄目と言うし、
警察にも介入してもらう ...
弱者のために
この間、親しい記者と酒を飲んでいたときに、同席していた若い記者が、
「自分は、弱者のためにこの仕事をしているんです」と言った。
ほお~と感心した俺は、一発、厳しいことを言っておいた。
「じゃああなた、まずは、組織の上の人間と闘ってくださいよ!」
なんで俺がそんなことを言ったのかというと、
その若い記者が「弱者のため」とか言いながら、
上司の顔色を、ものすごく伺っている ...
人間関係の逆張り
自分とはそりが合わない、生理的に合わない、話が合わない……、
ほとんどのひとが、そういう他人を敬遠し、退けて生きていると思う。
そして、それこそが正しいやり方だという概念が、まかり通っている。
でも本当に、それでいいのだろうか。
そういう相手に真摯に向き合ってこそ、
本質が見えて学ぶことも多いし、なにより自分自身が鍛えられる。
俺は、その信念で、ずっとやってきた。
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俺のめいっぱい
40代も後半戦に入り、さすがに身体の疲れが抜けないなあとか、
眠いなあ、ちょっと休みたいなあとか思ったりすることもあるのだが、
でも俺はすぐに、こう思い直す。
死んだらきついこともなくなる。
いくらでも眠れる。
だったら生きている間は、寝る間も惜しんで、
きついことでもめいっぱいやってやろう。
俺は、“人間に向き合う”仕事をしているので、
自分 ...
自由とは究極にきついことである
子供に関する親からの相談を受けていて、ときどき、
「(子供が)一応、仕事はしているのだが、肉体労働系の派遣仕事(アルバイト)で、
何の保証もないため、将来が心配で……」
と聞くことがある。
親が何を望んでいるのかは知らんが、俺は、本業でいつも、
就労どころか社会生活を送ることすら難しいケースを扱っているので、
働いているだけマシじゃないですか、と思ってしまう。
...
困った困った詐欺
以前、くれくれ人間でも書いたことだが、
ひとに何かをやらせる、たとえば金を出させたり、生活の面倒をみさせたり、
そういうことを、いともさらりとやってのける奴がいる。
俺が今、かかわっている若い奴なんかも、まさにそうで、
詳細は伏せるが、親だってやらないようなことを、平気で他人に求める。
その手法たるやみごとなものなのだ。
たとえば、川で溺れて ...
働きまくるしかない
どこに行っても同じようなトラブルに巻き込まれ、
悪いもの、ヤバイものを繰り返し引き寄せるタイプの人間がいる。
俺が今までに見てきた限り、そういう人間の風貌や言葉遣い、
発する空気などは、おもしろいくらいに、よく似ている。
そいつらが好んで選ぶ場所、人付き合いなども、だいたい同じだ。
本人は気づいていないが、まともな人間は皆、
避けていくようなものばかりを、後生大事に抱 ...
ひとは長い目で
ひとを見る目は養ってきたつもりだが、
見誤ることだって、もちろんある。
いいひとだなあ、真面目なひとだなあ、ちゃんとしているなあ、と
どっぷり信頼していたのに、
実はものすごく腹黒くて裏のある人間だった……
なんてことは、よくあることだ。
若いときよりは、早い段階で気付けるようにはなったけど、
すてきだと思っていたひとの、裏の姿を見たときには、
女性が強い時代になった
数年前、尊敬するある先輩(男性)から、
「これからは女のひとがすごい時代になるよ」
という話を聞いたことがあった。
たしかに俺の身近にいるひと、
たとえばうちのスタッフや本気塾の塾生にしても、
女性のほうが根性も根気もある。
いろいろ悪いことをしてきた奴でも、仕事は一生懸命やるし、
何かしらの結果を出すのも、女性ばかりだ。
...
おめでたくはないが46歳
昨日、Facebookを通じて「誕生日おめでとう」というメッセージが何通か届いていて、
そうか俺の誕生日か、と気づいた。
思えば俺は子供の頃、誕生日に家族(お袋)から、
「おめでとう」と言われたことが、一度もない。
「また一つ大人になったな。大変だな」とは言われてはいたが。
もちろん、プレゼントをもらったことも、一度もない。
言葉にすると冷たく聞こえるかもしれないが、 ...
くれくれ人間
うちの本気塾のスタッフが先日、
他のリハビリ施設の施設長と話す機会があったときに、
「こういうタイプは、回復(自立)が難しい、と思うのはどんなひとですか」
と聞いてみたらしい。
すると施設長は、「あくまでも私の感覚ですが」と前置きしながら
「初対面でいきなり、“ジュースをおごってくれ”というような方は、まず、だめですねえ」
と言ったそうだ。
そういう人は、 ...
本当のことを知りたい
俺は本当のことが知りたくて、本当のことを言いたいから、
この仕事をずっと続けてきたのだ。
最近は、本業とは関係ない裏方仕事でも動きまくっているけど、それは、
もっと本当のことを知って、自信を持って本当のことを皆に言いたいからだ。
それだけなのだ。
片付けをしていたら、10年前の俺の写真が出てきた。
本気塾の塾生と、話 ...
軽い
以前、厄介事に巻き込まれていたところを助けた若い奴から、
久しぶりに電話があった。
「押川先生……助けてください……」
と、幽霊みたいな弱々しい声で泣いている。
どうやら再び、別の厄介事に巻き込まれたらしい。
トラブルを引き寄せる磁石みたいな奴である。
気づかいと感謝
一時代を築いてきた年上の先輩を見ていて思うことは、
彼らは裏方さんをとても大事にしている、ということだ。
皆が呼び捨てにして、あごで使っているような立場のひとにほど、
気づかい、感謝のこころを忘れずに接している。
かっこいいな、と、俺は思う。
人間、自分の地位があがったり、金もうけがうまくいったりすると、
裏方さん含め、立場の弱いひと、地位の低いひとに対して、 ...