春が来た
春が来たなあ……と思う。
しかしそれは、桜が咲いたからではない。
木の芽時とはよく言ったもので、毎年この時期になると、
入院中の患者さんからガンガン電話がかかってくる。
ほとんどが、「○○が食べたい」「○○を買ってきてくれ」といった欲求の話か、
「○○さん(うちのスタッフ)にアイアンで殴られて、
身体の自由を奪われたような気がするんですけど……」というような、 ...
子供時代
「懐かしい写真が出てきた」と、
幼なじみから、メールが来た。
向かって左が俺だ。
小一くらいかな?
この頃からすでに、「現場」の顔だな!
まったくもって丸出しだ!!
ちなみに右側の俺の幼なじみは、
この後、九州一の番長になって、
剣道日本一なって、
国立大学に進学して、
今やお堅いお堅い公務員に ...
会話力
昨日のブログのコメントに、
「相手の心をつかむ会話方法を教えてください」
という質問があった。
この間俺がつらつらと考えていたこととかぶるので
答えになるか分からないが、書いてみる。
俺は本業で、「患者さんを説得して医療につなぎますよ」とアピールしているし、
名刺の裏にも、「説得」とわざわざ印字している。
「説得」と言われると、お ...
“気”について
俺のところにはときどき、トラブルを抱えた若い人間が来る。
知り合うきっかけは、ほとんどが「たまたま」、
行きつけの飲み屋で顔見知りになったとか、
まったく関係のない案件で他人から紹介された、とかである。
関わると面倒なこともあるが、勉強になることも多い。
とくに大半が20代なので、その後の変化が、とても分かりやすいのだ。
彼らを見ていると、良 ...
2人の男
俺は少し前に、あるトラブルの解決に携わり、
AとBという2人の男に出会った。
2人とも20代である。
もともとそのトラブルは、Aが持ち込んできたものだった。
本人は被害者面をしていたが、自業自得の側面もあり、
俺からすると、加害者でもある。
反対にBのほうは、ただ巻き込まれてしまっただけで
言ってみれば、もらい事故のレベルである。 ...
母親教②
昨日のブログでは、俺が携わる家族の問題のうち、
依頼時に「30~40代の男性」が圧倒的に多いことを書いた。
次に多いのが、「20代後半の女性」である。
そして実は、彼女たちの母親もまた、
昨日書いた「母親教」の教祖様そのものなのである。
ただし娘の場合、息子とは違った形で問題が出てくることが多い。
あくまでも俺が見てきたケースによるのだが、
母親教①
俺は約20年間、いろんな家族の問題を扱ってきた。
相談だけのケースも含めて振り返ってみると、
対象者の割合としては、依頼時に「30~40代の男性」が、圧倒的に多い。
多くは、アルコールや薬物への依存も含め精神疾患、
あるいは精神疾患の「疑い」があり、
なおかつ家庭内暴力やひきこもり、金の無心、近隣トラブル……
といった問題行動を繰り返している。
上記のよう ...
兵庫・洲本市5人殺害
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(以下引用:TBS News-i 2015年3月11日)
兵庫・洲本市の5人殺害、保健所に6回相談
先日、移送業務を行った患者の家族は、
兵庫県洲本市で起きた5人殺害事件のニュースを見て
「とても他人事とは思えない」と言っていた。
容疑者はひきこもりの生活を続けており、 ...
正常と狂気の出し入れ
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(以下引用:時事通信 2015年3月9日)
被害者一家、ネットで中傷か=ツイッターに「人類の敵」―逮捕の男・淡路島5人殺害
兵庫県・淡路島の洲本市中川原町の民家2軒で男女5人が殺害された事件で、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された平野達彦容疑者(40)のものとみられるツイッターに、被害者一家を「人類の敵」などと一方的に敵視するような内容の文章が投稿されていたことが9日 ...
ぼったくりはどっちじゃ!
身体は一つしかないので、仕事は選ばなければならない。
そうこころに決めているのだが、ときどき
とんでもない仕事(家族)にひっかかってしまうことがある。
きちんと契約を結ぶ気も、代金を払う覚悟もないのに
さもその意思があるかのような顔をして「お願いします」とやってくる。
こちらが動かざるをえないような緊急の案件を
「困った、困った」と言いながら持ってくるから、
話を聞いてしまった以上 ...
100か0か
俺の幼なじみに、ものすごく仕事のできる男がいる。
何の仕事をどのようにやっているのかを詳しく書くと
営業妨害になりかねないので、そこは省略するが、
まあ、俺と同じような最前線の現場仕事だ。
その中でもちょっと特殊な能力を要する分野に携わっているのだが、
実力は、日本でも三本の指に入るのではないか、というお墨付きである。
彼は、子供の頃からとにかく身体能力が高かった。
ある女性の死
先日、携わっていた人間がまた一人、この世を去った。まだ、30代前半だった。
彼女は、小学生の頃からシンナーをはじめ、覚せい剤も相当な量を摂取してきた人間だ。出会いのきっかけは、知り合いの警察官が、「覚せい剤使用の罪で服役し、出所したばかりの女性が、更生したいと言っている。一度、話を聞いてやってもらえないか」と言ってきたのだ。
うちは基本的に、家族からの依頼しか請けていないのだが、地元の人間ということもあり、「本気塾」に呼んで話を聞いた。
こんなところにも格差社会
格差社会という言葉が叫ばれて久しいが、
精神保健の分野でも、それは同じだ。
国(厚労省)は、「家族の負担を減らす」とかなんとか綺麗事を言い、
理論上はとても素晴らしい施策を打ち出してはいるが、
それを実施するかどうかは、あくまでも各自治体にかかっていて、
予算にだって限界があり、あれもこれもというわけにはいかない。
結果として、昨日のブログはないが、精神保健福祉法もな ...
精神保健福祉法はどこへいった!?
ある案件について、某県にある保健福祉事務所を訪れた。
家族から移送依頼を受けている対象者に、自傷他害の恐れがあるため、
移送当日、職員にも立ちあってもらえるよう、お願いするためだ。
過去の移送でも、自傷他害の恐れがあるようなケースでは、
保健所などの職員に立ちあいを求めてきた。
もちろん彼らが対象者を説得してくれるわけではないのだが、
万が一の可能性がぬぐい去れない以上、
公的機関 ...
現場はハードだ
悲惨な事件が起こるたびに、
「専門家は何をやっていたんだ!」と言う声があがる。
現実に起きていることを見たときには、
賛否両論巻き起こるのも当然だし、
議論が活発化するのは、いいことだと思う。
でもひとつ、「言うは易く行うは難し」
ということを忘れてはならない。
俺は現場の最前線に立っている身として、
ハードな案件が多すぎることを、身をもって感 ...
川崎中1男子殺害事件④ ネガティブ情報こそ共有
俺の仕事は、おもに家族間の問題解決という、
言ってみればネガティブな要素ばかりを扱っている。
だから日頃から、ネガティブな問題に対して
いかにしてポジティブな答えを出すか、そればかりを考えている。
そんな俺のネガティブ考察に、もう少しお付き合いいただきたい。
今回の川崎の事件では、被害者の少年から
SOSのサインがいくつも出ていたにもかかわらず、
助けるこ ...
川崎中1男子殺害事件③ ネガティブ問題の排除
川崎の事件では、被害者の少年がある時期から不登校になり、
他校の生徒とつるんでいたことは、学校側も把握していた。
教師も、何度も家庭訪問を重ねていた。
しかし本人を救うことはおろか、会うことさえできなかった。
これに関して、学校の教師は何をやっていたんだ、
教育現場はどうなっているんだと、批難する向きもあるらしい。
たしかにそれは、正論である。
正論ではあるが、今の時代にそぐわない ...
川崎中1男子殺害事件② 内向きか外向きか
今年に入ってまだ二ヶ月しか経っていないのに、
胸糞が悪くなる事件が連発している。
「陰惨な」「壮絶な」「不可解な」……
そういう形容詞をいくら並べても、追いつかない。
被害者に落ち度なんて一つも見当たらない。
先日のブログでも書いたことだけれど、
加害者の身勝手さや狡猾さは、まるでマフィアだ。
そしてそういう子供に育てた親は、やは ...
川崎中1男子殺害事件①
川崎で中学一年生の少年が殺害された事件だが、
非常に壮絶で陰惨な内容で、胸が痛くなる。
被害者の少年と付き合いのあった年上の少年に対して
任意の事情聴取をするようだが、
少年は万引きを強要され、断ったら殴られたとか、
「学校にも行くな」と脅されていたとかいう報道もある。
不良やチンピラを越え、マフィアみたいな連中ではないか。
「普 ...
Xデー
進行中の案件のXデー、すなわち本人に会って説得する日が近づいている。
なのでここ数日は、メシの量を減らし、
時間を作って、腕立てや腹筋をした。
痩せるとか体を鍛えるという目的ではなく、
頭とこころをすっきりさせたくて、やっている。
これまでに家族から話を聞いたり、現地で調査を行ったりして、
危なっかしい事実も多々出てきたが、それはそれだ。