大企業の罠
俺はときどき、新宿二丁目のオカマバーで酒を飲むんだけど、
なぜか、店に飲みに来ている20代の若い人から、「自分はこの先、どうやって生きていけばいいか」 って相談されることが、よくある。「有名大学を出て、一流企業にも就職したけど、なんか、うまくいってなくて」ってやつだ。
よくよく話を聞いてみると、「有名大学出身だから」とか「一流企業に就職したから」とか、その時点でもう頭の中が「オールOK!」のお花畑になっちゃってる。あまりに危機管理能力がなさ ...
Don’t think! Feel!
俺の仕事を簡単に言うと、「人に会って話をする」ってことに尽きる。
もともとは、病識のない精神疾患の人を、「医療機関で治療を受けましょう」と説得する仕事(精神障害者移送サービス)に始まり、この十年くらいは、違法薬物、詐欺、傷害、窃盗、ストーカー…… なんていう犯罪を犯した人と、話をする機会も増えている。
「なぜ押川さんはヤバい人たちを説得できるんですか?」っていうことを聞いてくる人がたまにいる。シンプルだけど、すごく答えにくい質問だよな(笑) ...
鉄格子の向こう側
もう30年も前の話だけど。
高校に入学したばかりの頃、学校帰りに自転車こいでたら、 どっかからギャーギャーワーワーわめく声が聞こえたんだ。
俺はてっきり、自分が呼ばれているのかと思って、声のするほうに近づいた。
そしたらそこには精神科病院があって、わめき声は、病室の窓から聞こえていた。
窓は背伸びしても届かないくらい高いところにあったんだけど、
俺は俄然、興味がわいてしまってさ。 ...
嬉しかったこと!
家族の問題を解決するためには、誰かが犠牲を払わなければならない。ここのところずっと、俺はそんなことを考えていた。
俺のところには、問題を抱えている家族がいろんな相談にくる。家族の要望で、問題の火種となっている本人に会うことも多い。場合によりけりだが、親に暴力振るっているとか、健康な身体を持っているのにいつまでも親のすねをかじっている奴なんかに会うと、俺は初対面でも叱ったり諭したりする。
本人からしてみれば、「なんで押川なんかにそんなこと言わ ...
気持ち!「人間臭い」俺の経歴
母子家庭に生まれ、母親の影響を強く受けて育つ。
母親の、「『本物』はいつの時代も生き続けて、人の心に残っていく。『偽物』はそのときだけのもので、心の中に残らん」という口癖のおかげで、人間観察が趣味になる。また、たいへんな読書家だった母親の影響で、テレビや漫画はほとんど見ず、早くから本に親しんでいた。
小学校にあがると、身体が小さかったためか、いじめの対象になる。担任教師の「押川君はたくさん本を読んでいて ...
家庭内紛争
今日からブログを始めることにした。俺の仕事のことや、ふだん考えていることなんかをつらつらと書いてみるつもりだ。
俺のところには、人間同士の困った問題を抱えた人たちがたくさんやってくる。そのなかでも、家族の問題っていうのがダントツで多い。親が子供のことで相談に来るとか、最近は、親のかわりに兄弟姉妹が相談に来るっていうケースも増えてきた。
「家庭内暴力」「ニート」「ひきこもり」「浪費癖」「依存症」……相談の内容をざっくり言ってしまうと、なんだか ...