ひとの見抜き方

「悩みがあるなら聞くよ」「相談にのるよ」「大丈夫?」

こんな言葉で近づいてくる男が、あなたの周りにもいないだろうか。

 

すでに信頼関係のできている相手ならいいのである。

しかし、このような一見やさしい言葉と、

さも相手に共感するような態度でもって近づいてくる男には要注意だ。

 

なぜこいつらが、目に付きやすいしぐさ、耳に入りやすい言葉で、

「やさしさ」「共感」をアピールして近づいてくるのか?

 

それは、目的があるからである。

 

男にハメられて犯罪に巻き込まれ、俺のところに相談に来た女のひとたちは皆、

男との馴れ初めについて、こう言った。

「初めて会ったとき、彼が親切に悩みを聞いてくれたので」

「落ち込んでいたときに、やさしくしてくれたので」

ところがどっこい、付き合いが進むうちに、いいだけ利用されて、

気づいたときには真っ黒けっけにされていたのである。

 

だから俺は、こういうわかりやすい「やさしさ」や「共感」には

注意しておけよ、と言いたいのだ。

 

さてここで、俺流の「ひとの見抜き方」を教えておこう。

それはずばり、目に付きにくい仕草、耳に入りにくい音に、

そのひとの本当の姿がある、ということだ。

 

たとえば、店の暖簾をくぐるときの仕草ひとつとってもそうだ。

そっとくぐればいいものを、暖簾をバシッとはじくひとがいる。

こういうところに、気の荒さ、気の短さがかいまみえる。

 

ほかにもある。

ひとから何か物を受け取るときに、奪い取るように受け取る。

電話が終わった瞬間に、ぶつっと切る。

何かを見るとき、目だけを動かしてチラッと、盗み見するように見る。

ドアを閉める音や足音が激しい。

 

「急いでいたから」「仕事が忙しかったから」と言い訳をするひともいるが、

俺は違うと思っている。

 

もうひとつ典型的なのは、これは男も女もだけど、

DV気質、ストーカー気質のある人間は、

初対面の異性がくると、上から下まで舐めまわすように見る。

しかも相手が背中を向けた瞬間に、ほんとうに足首から頭の先まで

じっーと、舐めるように見るんだよ。

 

そういうことをしている奴を、

俺は隣の席からじっーと観察しているんだけどな(笑)

 

俺は、そうやって何十年とひとを観察してきたわけだが、

「なんだコラァ!」「冗談じゃねえぞ!」なんてぶっそうな言葉を遣っているようなひとに限って、

しなやかでやさしい動作をすることも知った。

 

表面的なやさしさ、軽さがスマートだと勘違いされて、

もてはやされるような時代だけど、

わかりにくいところにこそ、そのひとの本質が隠れているのである。