メイカームーブメント

俺の大学の後輩で関良太郎という男が、ブログをやりはじめた。

関良太郎のガチ! メイカームーブメント from シリコンバレー

 

通学時期はかぶっていないのだが、

関も唐木幸比古先生のゼミの学生だった。

俺は中退後もよく唐木先生に会いに行っていたので、

そこで知り合ったのである。

俺にとっては、弟弟子みたいなもんだ。

 

こいつはサラリーマンだったのだが、

6年くらい前にいきなり会社を辞めて、渡米してしまった。

 

そして現在はシリコンバレーに暮らし、

「メイカームーブメント」に関する調査や取材を続けている。

 

去年くらいからかな? こいつがやたらと俺に、

「押川さん、時代はメイカームーブメントですよ!!」

「3Dプリンター=メイカームーブメントじゃないんですよ!!」

みたいなことを言ってくるようになった。

 

俺は最初、「何言ってるんだこいつ? とうとう頭がいっちゃったのかな?

昔からヘンな奴だったもんな……」と思っていたのだが、

俺は恩師である唐木先生の言葉をふっと思い出した。

 

「関さんは100のうち99は、くだらないことをしゃべっていますが、

関さんが『これだ!』と言ったことは、間違いなく真実でしょう」

 

唐木先生からそう評された関が、

「メイカームーブメント、メイカームーブメント」と言い続けているのである。

俺は「これが唐木先生の言う真実なのかもしれない」と思い、シリコンバレーに飛んだ。

 

現地に行って関に会い、メイカームーブメントの真相をいろいろ教えてもらって

俺が感じたことは、「このままじゃ日本が、大変なことになるな!」ってことだ。

 

詳しくは関のブログを読んで欲しいんだけど、

アホな俺なりに説明をしておくと、

1995年にWindows95が登場して、インターネットが爆発的に普及しただろ?

その後、孫正義(ソフトバンク)がYahoo! JAPANを日本につくったのも、

あの当時、アメリカで起きていたことを、そっくり持ってきただけなんだな。

逆に日本の企業は、この流れをまったくキャッチできていなくて、

完全に乗り遅れてしまった。

 

そして今、アメリカではインターネットと同じブーム(産業革命)が、再び起きている。

それが「メイカームーブメント」ってわけだ。

 

その中心でもあるシリコンバレーに暮らし、

いろんなところに調査に行っている関にしてみれば、

「この真実を日本に伝えなければ!」と、燃えざるをえない。

 

だけど日本の企業には、新しいことにチャレンジしようとすると

「誰が責任をとるんですか??」みたいな、

つまらないことを言い出す奴が少なからずいる。

(俺も「時代を狂わす40代」の記事で書いたことだな)

 

しかし、そんなことをしていたら、今後、日本はますます取り残され、

流行はアメリカでしか生まれなくなる。

さらには、すでにシリコンバレーにぐいぐい食い込んでいる、

Made in ChinaやMade in Koreaばかりが跋扈するようになって、

日本が誇る技術力も、まったく意味をなさなくなってしまう。

 

けっこう切羽詰まった状況だろ?

だから関は、「日本でモノづくりに携わる人たちの意識を変えるために、

命がけで頑張ります!」と言っているんだな。

 

これからの企業のあり方を考えるうえでも、

非常に学ぶところが多いと思うぜ。

とくに、製造業、モノづくりに携わっているひとには、

ぜひ読んでもらって、刺激を受けてほしい!!