大雪
大都会新宿が雪国になったかと見紛うほど雪が積もり、
まだなお横殴りに雪が降きつけるなか、ある方の一周忌に行ってきた。
傘を握った手は、あっというまにかじかんでしまい、感覚がなくなった。
一歩一歩を踏みしめて歩かないと滑ってしまう。
だが俺の心は、また○○さんにお会いできるという思いで弾んでいた。
一周忌にこんな大雪が降るなんてね……と、
俺は歩きながら、心の中で○○さんに話しかけた。
豪快に突き抜けて生きた○○さん、
そして思いも寄らぬ形で、突然に亡くなってしまった○○さんに、
この大雪は、ふさわしいような気がした。
○○さんは俺の親代わりともいえるひとだったので、
俺は去年の今日、大きな心の支えを失い、
一つの時代が終わったことを悟った。
悲しかったけれど、俺は、あの日を人生の節目と決めた。
人間としてまた一段大きくなるための、節目だ。
あれから一年が経ち、こうして振り返ってみると、
見栄や体裁はますますなくなり、心は軽くなり、
そしてほんの少しだが、強くもなったような気がする。
「○○さんのような、ひとさまの心の支えや、
心の後ろ盾になれるよう、今年も心を強くするために、
自分自身の醜い部分にけりをつけ、頑張っていきます!」
俺は、○○さんの御仏前に誓った。
また来年、成長した心を自分自身で確かめるためにも、
堂々と○○さんに手を合わせにいけるよう、精進しなければならない。
この大雪で、電車が止まったり停電になったりしたために、
たいへんな思いをした方もいただろう。
だが俺にとっては、心に残る真っ白な雪景色だった。