名古屋 車暴走殺人未遂事件①
http://youtu.be/pBbiMWvvbAY
23日に名古屋市で起きた、車暴走殺人未遂事件である。
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(引用:毎日新聞 2014年2月24日)
乗用車が歩道の人だかりに突っ込むと、衝撃音と共に悲鳴が上がった--。多くの買い物客らでにぎわう休日の名古屋駅近くの笹島交差点で白昼に発生した暴走車両による無差別の殺人未遂事件。大野木(おおのぎ)亮太容疑者(30)が現行犯逮捕されたが、一瞬のうちに13人がはねられて重軽傷を負った。現場に居合わせた人々は恐怖におびえ、容疑者への怒りをあらわにした。【和田憲二、石山絵歩、岡大介】
「スピードを緩めたりハンドルを切ったりする様子もなく、本当に怖かった」。1人で買い物に来ていた愛知県みよし市の会社員、不破健太さん(24)は、乗用車が歩行者に突っ込んでくる瞬間を目撃した。車は歩道に進入して約30メートル突っ走る間に、信号待ちしていた人々を次々とはね、不破さんの脚をかすめて街路樹に正面衝突して停止したという。
「キャー」「ワー」。叫び声を上げながら人々は走って逃げたが、歩道には血を流して倒れた人や、ハンカチを顔に当てて座り込む人も。車にはねられ腰を打ったという愛知県小牧市の会社員、洞寿志さん(24)は「信号待ちで横を向いていたら車の音がして振り向いたら突っ込んできた」と、ぼうぜんとした様子で話した。
現場には救急車や消防車、警察車両など数十台が急行し、歩道は人だかりで埋め尽くされた。交差点のすぐそばで路上ライブを聞いていた大学3年生の女性(21)は「『ドン』という音の直後に女性の悲鳴が聞こえて、振り返ったら10人くらいの人がぐったりして倒れていた。あまりに突然のことですぐに反応できなかった」と振り返る。
愛知県岡崎市の女性(30)は「人に次々に当たるような音が聞こえ、振り返ると頭から血を流している人がいた。ぞっとした」と青ざめた表情で話した。
暴走車は街路樹にぶつかって止まっていた。すぐに周りにいた数人が窓をたたき、運転していた大野木容疑者に降りるよう促したが、顔から血を流し、うつむいたまま動かなかったという。
大野木容疑者に呼びかけた大阪府の男性会社員(24)は「私たちに気づいていたが出てくる様子がなく、警察官2人に引きずり出されるようにして車から降りていった。周りから、怒号のような声も飛んでいた」と話した。
◇ 民生委員に自ら相談
愛知県警によると、大野木亮太容疑者は名古屋市西区の一戸建て住宅で1人暮らしをしていた。近所の住民によると、もともとは両親や祖母、弟の5人で暮らしていたが、最近になって大野木容疑者を残し、他の家族は引っ越したという。
大野木容疑者から突然、「相談に乗ってほしい」と訪問を受けたという民生委員の女性は「家庭内のことで悩んでいる様子だった。どんな仕事をしていたのかは知らないが、ずっと家にいる感じだった」と話した。
別の女性によると、大野木容疑者は「けがで何事にも集中できなくなった。仕事もできず、家に引きこもっている」と話したという。
大野木容疑者の小学校時代を知る会社員の男性(28)は「寡黙で友達は多くなかったが、人を傷付けるような性格ではなかった。彼と事件が結びつかない」と驚いていた。【駒木智一、稲垣衆史】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140224-00000004-mai-soci
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名古屋駅前暴走の容疑者か、ネットに悩み書き込む
TBS系(JNN)2月25日(火)19時1分配信
23日、名古屋市で無差別殺人を企てた男が車で歩道に突っ込み、13人が重軽傷を負った事件。男と見られる人物が、インターネットに悩みや家庭の不満を書き込んでいたことがわかりました。
報道陣を一瞥するように現れた男。この事件で逮捕された大野木亮太容疑者(30)です。
「人をはねて殺すつもりだった。誰でもよかった」。そう供述する彼を犯行に駆り立てたものは何だったのでしょうか。警察も関心を寄せる、ある書き込みがインターネットに残されていることが新たにわかりました。
「人生的なアドバイスをください。毎日がつらいです」
「ここ最近、全く感情がない」
「何も渇望がない。期待がない」
書き込んだ人物は名古屋市在住で、年齢も大野木容疑者と同じ30歳。さらに父親が愛知県警の警察官で、家族構成も一致します。書き込みがあったのは去年3月から9月にかけてで、家族への不満などもつづられていました。
大野木容疑者は、警察の取り調べに対し「家庭内で不満があった」という趣旨の供述をしていて、警察は動機について慎重に調べています。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20140225-00000046-jnn-soci
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父親が警察官ということで、それに対する批難が向きそうであるが、
俺が何度も伝えてきたように、この事件もまた、
「起こるべくして起こった事件」であると思う。
各報道から読み取った、俺がポイントと思う部分は以下である。
・本人が民生委員に相談している
・本人が「全く感情がない」「何も渇望がない。期待がない」などの書き込みをしている
・家族が本人だけを残して引っ越している
民生委員への相談や本人の発言(書き込み)からみても、
精神的に不安定になっていたことがうかがえる。
ほかの報道によれば、本人が友人に、
「事故で頭を打ち、定職に就けなくなった」
などとも言っていたそうである。
そのような状況のなかで、
家族が本人だけを残して引っ越してしまっているわけだが、
家庭内暴力などがあり、家族が命の危険を感じて逃げたのか?
本人に自立を促すために、あえて一人、自宅に残したのか?
真相は分からない。
だが俺は経験上、本人と家族の命、生活を守るためにも、
このように家族が家を出ていくことや、
家族の縁を切って生きていくことは、アリだと思っている。
ただしそれは、本人が生きていける居場所を探してからの話だ。
たとえば家族以外で本人と人間関係を築いてくれるひとや、ケアをしてくれるひと、
ケアをしてもらえる場所などを、本人に与える。
その努力をせずに、本人を放置して逃げてしまったのだとしたら、
無責任であると言わざるをえない。
一方で、俺のところに相談に来る家族からは、こんな話も聞くのである。
問題を抱える子供を、なんとか医療につなげたいと、
保健所や医療機関に何度も足を運んだ。
しかしもらえたアドバイスは、
「本人を一人暮らしさせたらどうか」
「家族が家を出て行けばいいのではないか」
という非現実的なものだけで、
その後どうすればいいかという具体的な解決策は、何もなかった。
あくまでも推測でしかないが、
今回の事件の家族も、「本人だけを残して家を出る」という決断・行動に至るまでには、
保健所や医療機関など、相談できるところには相談に行き、
解決の道を探っていたのではないだろうか。
もしそうだとしたら、家族が家を出たのは、
家庭内での事件を避けるための、最終決断だったのかもしれない。
これまでは、本人が家族のみをターゲットにしており、
まさか第三者にはやらないだろうという希望的観測もあったのではないか。
(俺からすると、本人は、何をすれば親が最も困るかを分かっていて、
今回の事件を起こしたとしか思えないのではあるが)
前々から言っていることだが、
このような状態にある人物に積極的に介入できるのは、
医療の側面からのアプローチしかないのである。
それこそが、事件の予防にもなりえるし、
本当の意味で、本人を護ることでもある。
ところが当の医療機関、保健所が
こういったケースを極力、排除しようとしているわけである。
そして、悩み、思い詰める家族に対しては
「何かあったら110番通報を」と勧めている。
「何かあったら」というのは、今回の事件のようなことだろうか?
なぜ、日本の精神科医療がこんなことになってしまったのかについては、
長くなりそうなので、明日の記事にする。
しつこいようだが、この手の事件は、
今後もますます、起きることだろう。
一般のひとたちは、ただ道を歩くようなときでさえ、
見えない危険があちこちに潜んでいるのだということを、
どうか忘れないでほしい。