エセの狂気をぶっつぶせ!
三重の女子中学生殺害事件で、
18歳の少年が強盗殺人などの容疑で逮捕された。
この少年は、事件を起こしたあとも、普通に学校に通い、
ツイッターでは、事件への驚きのコメントまで書いていたそうである。
警察の発表によれば、金目当ての強盗で、
衝動的な殺人だったのではないかとみているようだ。
だが俺は、決して衝動ではなかったと考えている。
世の中には、「狂気」と「正常」をあわせもっているひとが、一定の数いる。
DNAか、生まれもった気質か、あるいは育った環境によるものなのか、
それは俺には分からない。
一昔前まで、そういうひとたちは、
狂気と正常の出し入れを上手にするやり方を知っていたように思う。
たとえば小説や絵などの芸術作品や、音楽、発明など、
自らの狂気を、クリエイティブな方法で昇華させていた。
狂気の使い方を間違えれば、大ごとになることを認識していたからこそ、
そこにしか生きる場所がないと、覚悟を決めて挑んでいた。
それが他人様に感動や幸せを与えるということも、
よく分かっていたのだろう。
もちろん現代でも、こういったクリエイティブな仕事をしているひとのなかには、
ほんものの狂気をもっているひともいる。
しかし一方で、「現代のベートーベン」こと佐村河内みたいな奴もいるのである。
エセの狂気をほんものの狂気のようにして、
見せびらかすことのできる奴である。
こういう奴が、ほんとうに増えた。
そしてこいつらの根幹にあるのは、「金」である。
今回の三重の事件でも、少年は、金目的だったと供述している。
たかだか数千円のために? と思うかもしれないが、
金額はともかく、金を得る、金を奪うという行為が、
彼の引き金をひいたのではないだろうか。
少年は周囲から「優しい」「真面目」「大人しい」「成績もよい」と評されていた。
一方で別の友人は、「どことなく暗い感じがしていた」
「友達も少なかった」と証言している。
俺は、この少年のこころのなかに、
エセの狂気を持てあます、腹黒い闇があったように思えてならない。
だからこそ事件のあとも何事もなかったように振る舞い、
逮捕された今も、反省の弁すら述べていないのだ。
年若い少女の命を奪い、金を奪ったこと、
そして周囲を騙し、しばらくの間、事件を隠し通したこと……
少年はそこに、満足感すら抱いているのではないだろうか。
亡くなった少女の無念さを思うと、胸が痛い。
さて、俺は最近ひょんなことから、
詐欺行為を繰り返している男を知り、
ジャーナリスト魂でそいつのことを調べているのだが、
ひとこそ殺していないものの、構造はまったく同じである。
この男の周りには、こいつが詐欺師と分かっていてなお、
群がっている人間が、山のようにいる。
しかも、大手上場企業に勤めている若い兄ちゃんだ。
詐欺師の男も若い兄ちゃんも、
「大きい金を手にしたい」ということを、やたらと口にする。
彼らはほんものの「狂気」=「クリエイティブな才能」は、
ひとかけらも持ち合わせていないので、
第三者をだまし取り込む形で、自ら才能があるふうを装って、
金儲けの策略をしている。
まさに、エセの狂気をせっせと発揮しているのである。
彼らが、「金」のために暗躍できる場所は、
今の時代、あちこちに転がっている。
第三者が見たときには、「優しい」「真面目」
……などと言われる外面ももっている。
これからも、犠牲者はどんどん増え続けるだろう。
事件になってからでは遅い。
それを防ぐためにも、俺は何とかしなければと思っている。
まずは手始めに、この兄ちゃんの勤める大手上場企業の本社に出向き、
洗いざらいブチまけてやるか!!