決断
俺の「相談」業務は、相手をきちんと見て、
結論、決断を下すことだと思ってやっている。
どこかの専門機関に属しているわけでもなければ、
なんの国家資格も持っていない俺には、
説明だの分析だの予測だの……
そんな細かいことができるわけがないんだな。
シンプルに結論を出し、ズバッと決断する。
これだけだ。
しかしこの「結論、決断」ができない、
あるいはしない……というひとが、
世の中にはけっこういる。
何かあると必ず他人に
「どうしたらいいですか」と聞いたり、
「○○ですよね」と確認をとってからでないと
行動がとれないのである。
そんな調子で、これからの時代を渡っていけるのだろうか。
俺の相談業務にしたって、
俺が出した結論、決断を採用するかどうかは、
それこそ家族の決断にかかっている。
言っておくが、いつまでも問題解決しない家族に限って、
「押川さんはそう言うけど、ほかの相談機関ではこう言われた」
みたいなことを、延々繰り返しているのである。
3年前の3月11日、東日本大震災が起こり、
その瞬間もその後も、多くのひとがさまざまな決断を迫られたはずだ。
政府や地震学者たちは、
「今後30年以内に70%の確立で巨大地震が起きる」
と発表しているが、それは今日かもしれないし、
明日かもしれない。
どこで、どのようなスタイルで、どのような生き方を選ぶか。
俺たちは常に決断を迫られている。
それを忘れてはならないと、昨日は改めて思った。