千葉県柏市連続通り魔殺傷事件 続報
柏市連続通り魔殺傷事件について、
週刊新潮にコメントを寄せたことは、昨日伝えた。
記事では、竹井容疑者が、過去に統合失調症と診断されていたことや、
脱法ハーブを乱用し病院に運ばれていたことなども書かれていた。
今後の推移に関しては、竹井容疑者が精神障害者であるということから、
刑法第39条(1項に心神喪失者の行為は、罰しない。2項に心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する、と規定)
が適用されるかどうかにかかっている。
おそらく精神鑑定も行われるだろうし、
その結果もふまえたうえで、起訴するか、不起訴にするか、
それは、担当検察官(検察庁)が決めることである。
たとえば附属池田小事件では、
犯人の宅間守には精神科病院への入通院歴があり、
「統合失調症」という診断を受けてもいた。
しかし、精神鑑定の結果は「責任能力あり」として起訴され、
最終的には、死刑判決を受けている。
また、新宿・渋谷エリートバラバラ殺人事件では、
弁護側、検察側双方の鑑定証人が、犯行時の「心神喪失」を報告したが、
裁判所は、被告人に完全責任能力を認め、実刑判決を下している。
「精神科の入通院歴=責任無能力」とはされていない。
今回の事件に関しても、検察がどのような結論を出すか、
今後も注視していきたい。
もし、今回の事件が不起訴となった場合には、
医療観察法での検察官による申し立てにより、
裁判所が入院医療の審判を行うことになる。
しかしこの医療観察法については、
施行後約9年経った現在でも、
指定入院医療機関の整備は完全とは言えない。
また、本人に適切な医療を提供し、社会復帰を促進することを目的とした制度であることから、
入院期間の目安は18ヶ月程度とされている。
通常の刑事裁判(殺人・強盗等)の判決の比ではない。
被害者および被害者遺族のことも鑑みたうえで、
適切な判断をしていただきたいと切に願う。
しかし何度も繰り返していることだが、
事件を起こす前には、何らかのサインや予兆があったはずなのだ。
自傷他害行為があるならなおのこと、
措置入院制度を利用し、本人に適切な治療を受けさせるべきであった。
だからこそ俺は、
事件前に竹井容疑者に携わっていた医療機関や福祉関係者等にも、
きちんと調査をしたうえで、この事件について判断してほしいと思っている。
防げるはずの事件を、防げなかったのである。
今後、同じような事件を起こさないためにも、
竹井容疑者のような人間に携わるすべての専門家たちが、
目を逸らさず真剣に考える時期に来ているのではないだろうか。