おっさんほど汗をかかねばならぬのだ!
若いときにせっせと働いたり、
金を貯めたりしてきたんだから、
年をとってからは、ラクをして生きる。
それが当然の権利のように生きている、
おっさんや年寄りがたまにいるが、
俺は違うと思う。
人間は、年をとればとるほど、
一生懸命、働かなければならないのだ。
おっさんや年寄りがいつまでも額に汗して働く姿をみせる。
若い人間の盾になって、泥でも埃でもかぶる。
人生の先輩として教えられることって、
意外とそういうシンプルなところにしかない。
「年とった人間がラクをするのは、当たり前だろう」
と思うおっさんは、自分の若い頃を思い出してみてほしい。
仕事もせずに、ただふんぞり返っているだけの年輩の上司を、
軽蔑の眼差しでみていたのではないだろうか。
俺も警備業時代はよく、そういう情けないおっさん、年寄りに遭遇した。
ろくに金も払わずに仕事を押しつけて、
なおかつ数千円の飲み代すら、若い警備員から徴収する。
ほんと、見ていてこっちのほうが恥ずかしくなったもんだよ。
もちろん、年齢的にくる病気や体調不良もあるから、
一線を退いているお年寄りに関しては、
悠々自適な生活もいいと思うし、俺が文句を言う筋合いはない。
俺が腹立たしく思っているのは、
自分は汗をかくこともせず、面倒なことも回避しながら、
いつまでも現役の椅子にしがみついている、おっさんや年寄りだ。
なぜって、そういう奴らが現役でいられるのは、
まだ物の道理も分かっていないような若い人間を、
さんざんこき使っているからだ!
若い人間の働きを、自分の金儲けや地位向上に変えている。
だから、そういう奴らが見せている、
「年をとればとるほど、ラクな生き方ができる」という姿は、
誰かの犠牲のうえにある、幻想でしかない。
だけど、とくに若い人間ほど、その真理に気づかないまま、
「ああいう生き方がしたい」なんて思うようになっちまう。
なんという罪深い生き方だろうか。
そんな年寄りにはなりたくねーぞ!