子供に何を教えるか
少し前になるが、
「成績は保護者の年収や学歴も影響 文科省分析」
というニュースが出ていた。
小学6年と中学3年を対象にした全国学力テストの結果を分析したところ、
世帯収入や保護者の学歴が高いほど成績が良いことが分かった、というものだ。
http://mainichi.jp/select/news/20140329k0000e040175000c.html
(毎日新聞 2014年03月29日)
ずいぶん昔から、こういう類のことは耳にしてきたし、
いろんな家族、子供を見てきて、
「たしかにそうだな」と思える部分もある。
だがこの分析に欠け落ちているのは、
「成績が良い=幸せ」ではない、ということだ。
ついでに言えば、「勉強ができる(暗記が得意)=頭がいい」でもないし、
「頭がいい=生活力がある」でもない。
つまり、こういうニュースを読んだときに
「高収入、高学歴だから、うちはOKだ」とか、
「低収入、低学歴のところの子供はどうしようもない」
みたいな感想を抱くのは、あまりにも短絡的である。
生きていくうえでは、収入も学歴もあったほうが、多少は有利かもしれない。
だが今や、いい大学にいけば、必ずいい企業に就職できる時代でもないし、
いい企業に就職したからといって、安定が保障される時代でもない。
俺はこれからの時代は、そんなものよりもますます、
“丸裸の人間”としての価値が見極められる時代になると、思っている。
むしろ“丸裸の人間”としての強さや正直さ……
一本筋みたいなものを身につけていないと、
簡単に他人から蹴落とされたり、犯罪に巻き込まれたりする時代になった。
じゃあ、そういう時代に子供をどうやって育てていくか。
前にも言ったけど、やはり子供が自分のルーツを理解する、
ということは大事だと思う。
うちは貧乏だとか金持ちだとかそんな表面的なことではなく、
幼い頃から、親や家族の真実の姿を理解し、受け止めてきた人間は、
自分の立ち位置、在り方にも、真摯に向き合わざるを得なくなる。
そして子供が自分のルーツを知るかどうかは、
親自身が正直に生きているかどうか、にかかっているのだ。
俺は最近、まだ若いのに一本筋のとおった、骨のある奴に出会った。
なんでこんなにこころがあって、ぶれないのかな?と思ったとき、
やはりそいつは、自分のルーツをきちんと理解していた。
実家は、けっこういいところにあって、
そいつ自身、いい学校にも通わせてもらっているんだけど、
「自分の家族は、じいちゃんが○○の仕事をはじめて、
一山築いた財産のおかげで、いい暮らしをさせてもらっています」
と、正直に、謙虚に言う。
親が、今の暮らしがあるのはじいちゃんのおかげだって、
ちゃんと子供に話してきかせているんだな。
これって、簡単なことのようで、意外とできないことなんだよ。
だいたい親っていうのは、都合の悪いことは隠蔽したり、
脚色して子供に話したりするからね。
親が威張りちらしたり、威厳を振りまいたりするのも、
「ああしろ、こうしろ!」とか言って子供の尻を叩いたりするのも、
俺からしたら脚色だよ。
あんたら、そんなに素晴らしい子供だったんですか?
そんなに優れた人間なんですか?
って、逆に聞きたくなるよね。
「親が嘘つきだと、子供も嘘つきになる」
押川のこの分析は、
文科省の、「成績は保護者の年収や学歴も影響」なんていう分析よりも
100%、実践に役立つと思いませんか!?