母親の帝国
昨日の記事と関連することでもあるが、
こころの病気になったり、あるいは犯罪を犯してしまったりする
子供(といってもすでに10~30代)の過去を紐解いていくと、
母親からの呪縛に苦しめられているというケースが、往々にしてある。
子育ては母親の責任だ、と決めつけたいわけではない。
だが、子供に直に接する時間やその密度は、
父親は、母親にはかなわない部分があるのは確かだ。
とくに、問題を抱える子供の家庭環境というのは、
父親の社会的地位が高く子育てには非協力的だったり、
両親が不仲だったり離婚していたりと、
そもそも父親の存在が薄い家庭が多い。
こういう家庭で育った子供たちから話を聞くたび、
母親の強烈な存在感に、驚かされる。
マイルールを押し付け、子供が反抗でもしようものなら、
無視したりわめき散らしたりする。
そうされた子供は、しだいに思考する能力を奪われ、
感情すらも失っていく。
一方で、母親の望まない職業に就いたり、
問題行動や犯罪行為をしたときに、
マッハの速さで子供を切り捨てるのも、このての親の特徴である。
子供は自分の人生を輝かせるための道具でしかないため、
役に立たない、迷惑をかけるような存在なら、いらないのだ。
もはや母親の帝国である。
「そんな親、お前のほうから縁を切ってやれよ!」
と、俺なんかはいつも言うのだが、
子供は母親に対する“情”を、捨てきれない。
母親の望むような結果が出せなかったことを思い悩み、
それが過ぎると、執拗にまで恨むようになることもある。
俺から言わせれば、それも親の洗脳でしかないんだけどな。
子供をモノ扱いする親ほど、「親を大事にしろ」
「老後の面倒をみるのは常識だ」という意識を、
チクチクと植えつけているのだから。
子供のこころを歪ませないためには、
母親の役割は二つに一つしかないと、俺は考えている。
一つは、子供がこころから納得できるような会話や、対応をとること。
それができないのならば、子供に対して丸出しで生きるしかない。
たいていの親が、一つ目をやりたいと思うだろう。
しかしこれは、とてもハードルが高い。
確固たる人生哲学や、本質を見極める力、
先々を見通す力…ようはものすごい人間力が求められる。
表面的な教えや躾なんて、将来的にはたいして役にも立たないからね。
親自身が相当な苦労でもして生きてきたならともかく
大半は、そんな人間力は持っていないのである。
だったら子供に対しても偉そうに圧力をかけたりせず、
丸出しで接しろ! と俺は言いたい。
昨日も書いたけど、本当に、こういうお母ちゃんほど、
子供に嘘ばっかり吐いて、嘘の姿ばかり見せているんだぜ……。