人間力
人間力とは何か? という質問をコメントでもらった。
これは、ひと言で説明するのは難しいのだが、
総合的な生きていく力、と言えば分かりやすいだろうか。
たとえば俺の知っているひとで、
会社や部下に不祥事があるたびに、
責任をとって、あちこち飛ばされた経験のあるひとがいる。
だけど彼は、どんな畑違いの部署に飛ばされても、
必ずそこで利益を上げてきた。
それだけでもすごいことだけど、
派遣社員をみんな正社員として採用したり、
能力を活かしきれずにくすぶっている若手を抜擢したり、
そういう、ひとに対する心遣い、采配も見事なんだ。
だから彼の周りには、面白いひとが集まるし、
彼のためなら、協力を惜しまない!
という熱烈な人間関係ができあがっている。
この吸引力が、人間力の証ではないだろうか。
学歴とか職種とかどんな会社に勤めているとか、
そういうのは、あんまり関係がないんだよな。
たとえば俺の敬愛する二丁目のママのところにも、
やはり面白いひと、「おお!」と思うようなひとが集まってくる。
二丁目だけに、ヤバい意味で「おお?」というひとも来るのだが、
どんなひとに対しても、区別差別せず、
華麗に捌いていくママの手腕が、また素晴らしいんだよ(笑)
これは、勉強して偏差値の高い大学を出ればできる、ということではない。
アレとコレを身につければできる、ということでもない。
「●●すればできる」という答えがないからこその魅力であり、
“人間力”と呼ぶにふさわしい能力ではないだろうか。
しいて言うなら “人間力”があるなあ、と思うひとは、
みんな若い頃から、苦労を重ねている。
それも、自分から苦労を選択しているんだな。
ラクな道ときつい道があったら、自らきつい道を選んでいる。
俺なんかはそこに、「このひと頭いいな!」と尊敬の念を抱く。
だってその苦労こそが、年とともにいい感じに熟成されて、
なんとも言えない渋さ、厚みを生み出しているんだからね……。