全部めくったときに何が出てくるか…③男、女
実は一番やっかいなのが、表面的には、とっても知的な“人間”を装っているのに、
全部めくったときに、“男(女)”が出ちゃうタイプの人間ではないかと、
俺は思っている。
ここで言う “男(女)”が出る、というのは、ようするに“性”の部分だ。
仕事の場やオフィシャルの場で、色目を使う男や女っていうのはけっこう多いし、
そこまであからさまじゃなくても、たとえばミスを指摘されたり、何か非難されたりすると、
とたんに感情的になって、お話にならなくなるひとがいる。
ミスなら謝ればいいし、反論があるなら説明すればいいだけのことなのに、
突然、怒鳴り出したり、泣き出したりする。
その手のパフォーマンスって、俺からすると “下半身”の反応なんだよな。
たとえば、最近、話題の号泣議員。
俺はあの会見を見て、「あーあー、おチンコ丸出しだな」と思ったぜ。
まったく脳みそが働いていない会見だったし、
他人に気軽に見せるべきではない部分を、世界中にさらしちゃった。
もちろん、虫さんから人間まで、生き物には性別というものがあるわけで、
どうしたってそこに区別や違いは生まれる。
オスでもメスでも、性を武器にしてくっついたり離れたりするのは、自然の摂理でもある。
しかしそれをオフィシャルの場で出すのは、違うんでねーの、と俺は思うのだ。
とくに、日頃から見た目も振る舞いも、「私は知的な人間です」「真面目です」
「一生懸命、仕事をしています」というアピールをしているひとが、
何かの拍子に、この“男(女)”を出してきたときには、
周りはびっくり、あきれかえるしかないよな。
俺のところにくる親にも、こういうタイプはけっこう多い。
最初は、「子供のここがおかしい」「学校(病院)がまともな対応をしてくれない」
「私も親として足りないところがあったと思う」なんて、理路整然と、物わかりのいいことを言っている。
当然、学歴もあるし、それなりの仕事に就いて、高収入を得ている。
ところが、いざ、子供も交えて話し合う段になると、
子供に「うるせえ」とか「じじい、ばばあ」などと言われ、
顔を真っ赤にして支離滅裂に怒鳴り出したり、
「なんで○○ちゃん、そんなこと言うのォ~」とめそめそ泣き出したりする。
子供に対して、“男(女)”を出しまくり、
“人間”として、目を見て、膝をつき合わせて話をするということをしないのだ。
こういう親に限って、陰での女遊び(男遊び)が激しいことも多くて、
親である前に、“男(女)”でしかない両親を見る子供の目つきの、なんと冷ややかなことか。
反対に、夫婦間で互いを人間としてリスペクトし、人間の会話ができている両親の子供は、
一時的に崩れることがあっても、意外と何とかなるものである。
この、全部めくったときに、“男(女)”が出ちゃうタイプ、
ちょうど俺の世代の人間に、多いような気がする。
「いつまでも若々しく、“男(女)”として現役でいよう!」みたいなとぼけたこと言ってんのも、
今の40、50代だもんな。
それがときに、とんでもない弊害を生み出すってことを、
分かっておいたほうがいいと思うぜ。