「悪役」の利点
悪い噂ほど早く広まる。
逆に良い噂は、100年の歳月を費やしても、そんなに広まるようには思えない。
それどころか良い噂が広まりはじめると必ず、
「あいつ聖人君子面してるけど、実は・・・」などと横やりが入るのがオチである。
欠点のないひとなどいないのだから、当たり前だ。
ならばいっそ、噂の中では思いっきり悪役を張ればいい。
その陰で日々、一本筋を通して精進する偏屈者を貫き、能力を培う努力をする。
周囲は、そんな偏屈者をますます「悪役」呼ばわりし、悪い噂を流すことだろう。
しかし、悪い噂が広まれば、今度は怖いもの見たさにひとが集まってくる。
その時こそ、培ってきた己の能力を発揮するだけである。
たちまち評判が上がるのは言うまでもない。