キチガイ的特性

「年をとると丸くなる」とよく言うけど、

ほんとかなー、と俺は疑いを持っている。

 

むしろ人間は年をとるほど、

その人の持つおかしな癖、キチガイじみた性質などが、

どんどん色濃くなってゆくのではないだろうか。

 

俺が知る限り、サラリーマンでもフリーでも、

人間力があって、いい仕事をしているようなひとは、

どこか、おかしいところを持っている。

 

組織にいなかったら単なるチンピラにしか見えないよなーとか、

モノ作りをしていなかったら、心の病気になっていただろうなーとか、

そういうあぶなっかしい要素のあるひとばっかりだ。

 

それでも成功しているひとの共通点は、

若いときに自分に負荷をかけまくり、一心不乱に頑張ってきたことにある。

 

俺は40代というのは、人生の折り返し地点だと思っている。

もう一定の結果は出していておかしくない年齢だし、

それを踏まえてもう一度、ステップアップのために頑張らなきゃならない年齢でもある。

 

だからこそ、自分の持っているおかしな癖、キチガイじみた性質に、

もう一度向き合う時期だ、とも思うのである。

 

おかしな癖、キチガイじみた性質を、どう伸ばすか。

あるいは時代や環境に合わせて、滑らかにならしていくのか。

いずれにしても、自分自身に負荷をかけて考えるべきところだ。

 

これは「親」という側面からも、40代に言えると思う。

20代で産んでいれば、子供はそろそろ思春期である。

 

その子の性格や趣味嗜好がはっきりしてくる中で、

おかしな癖、性質も、出現してくるだろう。

不良行為とか不登校なんてのは、俺からすると大部分がその表れだ。

 

そういう時期の子供に対して、

親自身が、ワーワーわめきちらしたり、メソメソしたり、

あるいは、見ない振りして男(女)遊びに走ったりするんでは、

自らのおかしな癖や、キチガイじみた性質をタダ漏れにしているに過ぎない。

 

こういう時こそ、その親なりの腕の見せどころがあるはずなのだ。

それこそ多少キチガイじみた対応であっても、親がバチッと決めてみせる。

あるいは親自身が自分を律して、子供とガッツリ向き合う。

どんなやり方であっても、子供に

「うちの父ちゃん(母ちゃん)、意外とすげー」

と思わせることができれば、しめたものである。

 

いずれにしても、40代で自分のキチガイ的特性にもう一度向き合い、手なづけておかないと、

ジジババになったとき、とんでもない人間になるぞ! と俺は思っているのだ。

若い世代を困らせることになっちゃう……それだけは避けたいところだよ。