孤独
俺は孤独が好きだ。
そして、孤独をちゃーんと知っているひとが好きだ。
俺は、ひとに会うのが仕事のようなものなので
ご縁の大切さはよく分かっているつもりだし、大事にもしている。
仕事モードの俺は、めいっぱいしゃべるし、基本的に明るい。
でも一方で、仕事以外のプライベートの時間は、ほとんど一人でいる。
メシも一人で適当に食うし、空いた時間の楽しみと言えば、
本屋をぶらぶらして本を買って、家に帰って静かに読書をするか、
ブログのネタを、ちまちま考えることだ。
そういうときの俺は、傍から見たら、すごく暗～く見えるだろう。
たしかに地味だけど、俺自身は、別に寂しいとか思わねーな。
俺はマスコミの仕事をしていることもあって、
才能のあるクリエイターを何人か知っているのだが、
皆、普段はほとんどひとにも会わず、もくもくと作業をしている。
才能ある本物の天才たちは、
誰かに会うとか、どこかに出かけるなどの外部からの刺激がなくても、
すごいアイデア・作品を生み出すことができるのだ。
むしろ、「ひとには会いたくない」とすら言う。
ひとと話すことで、思考が乱されることもあるからだ。
俺は彼らのような天才ではないけど、気持ちはとてもよく分かる。
もちろん、誰かと会って人脈を築くことで、仕事に変えているひともいる。
そういう中で、本物の、いい仕事をしているようなひとは、
360度、どんな相手にも対応できるように、姿勢から話し方まで整えている。
いつ会っても同じ調子で、自分の感情や気分を絶対に挟まない。
それはそれですごいな、プロだな、と俺は思うし、
だからこそ、一日の中でほんの一瞬、一人になれる時間…それこそ孤独を、
実はこよなく愛しているんだろうな～と、思ったりもする。
俺が嫌だなと思うのは、「寂しい」とか「人恋しい」を連発して、
見境なく、他人とつるんでいるような輩だ。
SNSでいつも誰かとつながっていないとダメとか、友達の人数や動向を伺ってばかりいるとか。
あと、俺もときどき耳にするんだけど、
ワケのわからない、ネットワークビジネスをやっている輩。
有料セミナーに参加して、人脈作りませんか？ とかいうやつ。
カモになるのはだいたい、一人暮らしの奴とか、
なかなか就職が決まらない若い奴と、相場が決まっている。
「寂しい」と思う心の隙に入り込むやり方だよな。
今や、SNSの充実が人気のバロメーターみたいに思われたり、
ネットワークビジネスが我が物顔ではびこったり、
そんな時代になってしまった感すらある。
それって、つまんねーな！ と俺は言いたい。
まったく、不自由なことこの上ないよ。
もちろん、孤独が好きすぎて、家にこもりきりで働かない……なんていうのは論外だけど、
一人でも人生を楽しむ術を知っていることは、
悪いことじゃあ、ないと思う。
少なくとも俺は、孤独のなんたるかをわきまえているひとのことは、
最大限にリスペクトするね！
どうだ！
なんとかセミナーに行くより、友達のSNSを無駄に覗くより、
俺のブログを読んでいるほうが、よっぽど寂しさが紛れると思わないか！？
それは俺が、実は超孤独な人間だからだよ！ まいったか！