俺が唸った! 名言 その9
「人間、年をとればとるほど、先輩は減って後輩が増える。
だからやっぱり、若いひとにはちゃんとせないかん!」
先日、新潟で剣山を作っている石﨑社長に会いに行った。
仕事の話が終わると、午後3時から11時まで酒を飲んだ。
新潟だけに最初から最後まで日本酒だ。
社長はどれだけ飲んでも上機嫌だ。すごいぜ。
飲みながら、またしても、いい話をいっぱい聞いた。
今回の名言も、社長の年齢(70代)だからこそ、重みがある。
たとえば俺はまだ40代なので、上には面白い先輩がいっぱいいて、
いろんなことを教わり、助けてもらい、支えてもらっている。
まだまだ教わりたいことがたくさんし、教わるチャンスもあるだろうと思っている。
だけど単純に年齢だけ考えたときには、たしかに、
先輩が減って、後輩が増えていくのは、自然の摂理である。
そう考えると、上ばっかり見てゴマすっている奴や、
部下や後輩の面倒をまったくみない、かわいがらない奴は、
今は調子よくやっていても、天井は思いの外、早くにやってくるってことだ。
社長の周りでも、大企業にばかり尻尾を振っていた会社は、
不景気の波にもまれて、どんどんつぶれていったそうだ。
逆に社長は、かつて目をかけてかわいがってきた若いひとから
今になって助けられることが、たくさんあるんだよ、と言う。
とはいえ、新人さんや若手を育てることは、
もしかしたら自分の仕事をやるより、難しいことかもしれない。
仕事に対する考え方やモチベーションは、世代によって違うし、
今や新卒(大卒)の離職率は約30%あるというくらいだから、
せっかく仕事を教えたのに、短期間で辞められてしまうことも多いだろう。
俺も、「育ててやろう」と思って、一生懸命面倒をみて、かわいがってきた奴が、
挨拶もなくサッーといなくなったり、あるいはとんでもない面倒事だけ残して逃げたり、
そんなことは、今までにいっぱいあった。
しかし石﨑社長の言葉を聞いて、やっぱり諦めちゃいけねーな、と思った次第である。
面倒みて、いろいろ教えてやった若い奴が、いなくなってもいいじゃないの。
教えたことが、何かの形で、そいつの人生の役に立っているかもしれない。
こころをかけてもらったことに、感謝はしているかもしれない。
それでいいのだ。
それにしても、今の60代、70代で、
まだ現役バリバリでやっているひとたちは、本当に元気だな。
戦後から今日に至るまで激動の時代を、その変化に適応しながら生きてきたのだ。
そういうご年配(といっても皆、若々しいのだが)の方々の話は、
素直に聞いて実行したほうがいいな、と俺はいつも思うのだ。