頑張るぞ!
先日のテレビ放映を、以前、お世話になった警察関係者の方が
観てくださったらしく、放映後、お電話をいただいた。
その方の勤務する所轄の生活安全課では、
今年、これまでに約2000件あった相談の約2割が、
精神疾患に関するものだったという。
これは、かなりの数字ではないだろうか。
お話を聞く限りでは、俺のところにくる相談のように、
精神疾患を原因とした家のゴミ屋敷化、近隣とのトラブル、家庭内暴力、
散財(水道を出しっ放しにして、月に50万円もの請求が来たとか!)というような、
大変な内容のものばかりのようだ。
殺人には至らなかったが、親子間の刃物沙汰もあった、と聞いた。
刃物沙汰のような事件・事故の場合は、110番通報するしかないが、
中には、保健所や精神保健福祉センターが対応すべき(できる)事案もあったはずだ。
前々から指摘していることだが、保健所はいったい、何をしているのだろうか。
放映後に俺の事務所に来た問い合わせの電話でも
「保健所にも相談に行ったが、何かあったら110番通報を、と言われただけだった」
と嘆く親は、たくさんいた。
「事件になるまで待つしかない」と言われ、途方に暮れている親もいた。
ほとんどの家族は、「本人の病気を治したい」と思うと同時に、
「事件を起こしてからでは遅いから、今すぐにでも医療につなげたい」と、
必死になって保健所に相談に行っているのだ。
それに対して、「何かあったら110番通報を」というアドバイスでは、
まさに「事件が起きるまで待ってください」と言っているに等しい。
そして、そのしわ寄せがすべて、警察に行っているのが現状なのだ。
(実際に事件が起きたときに、非難の対象になるのも警察だ)
もし本当に、この手の問題には保健所がもうお手上げで、
警察介入しかないと言うのなら、それなりに予算を組んで、
警察協力のもと、スペシャリストの集団を作るべきなのである。
テレビ放映で多くの反響をいただき、俺は改めて思った。
一人でも多くの患者や家族を救うため、
そしてこの仕組みを良い方向に変えるため、
もっともっと頑張るしかない!