真実を知る
本気塾などで、若いひとに携わるとき、俺が何をしているかと言えば、
真実に気づき、それを教えているにすぎない。
一つは、本人が行っている違法行為や、倫理道徳からはずれた行為だ。
薬物など自覚してやっていることもあれば、
他人に乗せられ、無自覚のうちに犯罪の片棒を担いでいることもある。
これに関しては、法に照らし合わせ、駄目なものは駄目と言うし、
警察にも介入してもらう。
本人が俺から逃げれば別だが、俺の目の届くところにいる限りは、
見逃すことは絶対にしない。
もう一つは、親の嘘や実態だ。
子供に愛情なんかないのに、あるフリをしたり、
金があるのに「ない、ない」言ったり(逆もある)、
子供の出生に関して嘘をついていたり、
親自身が、倫理道徳の欠片もないような言動をしていたり……。
気づいた以上は、そいつがどんな奴だろうが、
俺は本当のことを言わせてもらう。
でも違法行為と違って、家族(親)や恋人・友人との関係になると、
最終的な選択の自由は、本人にある。
もともと相手との関係に違和感があったり、
その居場所に居心地の悪さを感じていたような奴は、飲み込みも切り替えも早い。
反対に、その世界にどっぷり浸かって楽しんじゃっていたような奴は、
なかなか諦めることができない。
中には、俺の指摘に対して腹を立て、「押川はあぶねー奴だ!」と逃げていく奴もいる。
なぜなら、それを変えようとしたときには、
自分の過去、家族との関係、友人との関係などすべてを断ち切って、
ゼロからやり直すしか、方法はないからだ。
それだけでなく、立派な学歴や就職先を捨てざるを得なかった奴もいる。
そこまでいくと、「真実を知らないほうが良かったのではないか」
と、思うひともいるかもしれない。
だけど俺は、それは違うと思う。
前にブログでも書いたが、この国はずっと、真実に気づかせない教育をしてきた。
だが、真実を知らなくとも、学校にさえいけば就職先はある、
メシは食っていける、そういう時代は、もう終わってしまったのだ。
俺たちはそのことにこそ、いい加減、気づかなくてはいけない。
これは俺の妄想で言っているんじゃないぜ。
各分野の最先端で時代の流れを見てきたような、
俺よりずっと年上の先輩たちが、口をそろえて、そう言っているんだ。
俺は彼らから貴重な人生観、歴史観を教えてもらい、
その視点で、世の中を見てみると、本当に遠からず、
すべての価値観がひっくりかえる日が、来るような気がしている。
厳しい時代がやってきたとき、
もしかしたら国民は、かつての日本のように、
家族や一族という強い結束に、かえっていくのかもしれない。
でも、それが成り立たない若い奴も、いっぱいいる。
俺もそんなものは持っていないから、やっぱり「他人」を大事にするしかない。
俺は、うちの事務所のスタッフにしても、もはや上司と部下とか、
社長と社員とか、そういう感覚では向き合っていなくて、
「俺たちはチームなんだから、全員で知恵を出し合って頑張っていこうぜ」
ってことを、口を酸っぱくして言っている。
どうせ仕事上の付き合いだからと適当したり、
「あのひとは大企業の社長だから」なんて言ってすり寄ったり、
そんな上っ面の感覚で付き合っていては、オオゴトするぜ。
それだったらいっそ、大企業の社長だろうが、
その業界のトップだろうが、面白いから、仲良くする。
「友達」と言ってもらえるように、そのひとのためになることを、一生懸命やる。
そんくらいの心意気で行こうぜ! と俺は言いたい。
まあ、俺はすでに、めちゃくちゃ年上の先輩のことを、
勝手に「友達」呼ばわりして頑張っているんだがな(笑)
でもその信念を貫いてずっとやっていると、
俺みたいな若輩者が「友達」とか言っちゃっても、怒ったりしない、
「おもしれーこと言うな」と笑ってくれる懐の深いひとばかりに巡り会えるようになる。
そんなもんだぜ!!