ガタガタ言うてる場合かっ!?

若いときはデタラメばかりやってきた俺だが、一つラッキーだったのは、

「すでに答えが出ている物を暗記だけしてもしょうがない。

そんなヒマがあったら、自分で考えろ!」

ということを教えてくれる大人に、たくさん巡り会えたということだ。

 

たとえば俺の母親もそういうタイプだったし、

高校にも大学にも、そんなことを言っている先生がいた。

 

彼らに共通していたのは、過去の歴史を踏まえたうえで、

これから“先の先の先”、この国がどうなっていくか、

人間がどうなっていくか、ということを、常に考えていたことだ。

 

俺の学生時代といえば、

いい学校いい会社に入りさえすれば、一生安泰だという空気が社会全体にはびこり、

多くの学生たちは、それにならって、暗記至上主義をしいられていた。

 

そういう中で「暗記なんてやめとけ」「自分で考えろ」なんて言っちゃう教師は、

たいがい生徒からもヘンな目で見られていたのだが、

俺はいつも「おもしれーこと言うな!」と思って聞いていた。

 

今になって、ふとした瞬間に、

「あのとき先生が言ってた通りの世の中になったな!」

と思うことがある。

 

細かい内容はともかく、“今に執着せず、常に先のことを考える”

という考え方が身についたことは、俺にとって何よりの教育であり、幸福だった。

 

俺が思うに、先の先を考えたときには、

かえって、今やるべきことがクリアになるし、頑張れるもんだ。

 

たとえば、嫌なこと、面倒なことがあっても、先の答えが見えていれば、頑張れる。

嫌な奴に頭を下げなきゃならない、誹謗中傷の雨あられ…なんてことがあっても、

俺の考える時代がくるという確信があれば、別に屁とも思わない。

 

いちいち、あーだこーだ文句を言ったり、

やるべきことを先延ばしにしている奴って、

結局は、“今の今の今”しか見ていないのだと思う。

それはつまり、自分のことしか考えていないってことでもある。

 

いろんなことが厳しくなる一方のこの時代、

ガタガタ言うてる場合かっ!? てのが、俺の考えだ!