バカたれが!!

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ある患者さんとの面会(外出)の際には、

いつも、病院近くのファミレスを利用していた。

 

病院では甘い物があまり食べられないからと、

毎回、パフェなどを喜んで食べていた。

 

先日、その患者さんが、急に亡くなってしまった。

 

検視の結果、事件性はないとされたが、

持病があったわけでもなく、死因は特定できなかった。

 

あまりに突然のことで、彼をきちんと見送るまで、

ブログをひらく気にもなれなかった。

 

彼は、社会に出れば問題行動を繰り返し、

家族にも、死を覚悟するほどの思いをさせてきた。

精神科病院へも入退院を重ね、この数年は長期入院をしていた。

 

最近になって、ようやく退院の話が出るようになったのだが、

家族をはじめ、病院職員や俺たちが現実的な社会復帰の方法を提示するのに対して、

彼はそれを受け入れようとせず、自分の自由や欲求がかなうやり方を貫こうとした。

病院側や俺たちには内緒で、よからぬことを画策をしているフシも見て取れた。

 

俺は今年の三月に、こんな記事を書いた。

冒頭に書いたのは、ずばり、この彼のことだ。

 

彼は、俺に「長生きしたい」と言っていた。

だから俺は彼に、幾度となくこう言った。

「こういうときこそ、じっくり腰をすえてやっていかないと、命を落とすことになるぞ!」

 

生死の話をしたときに、真摯に受け止める人間というのは、実は稀で、

悪いことをしてきた人間ほど、「押川に“死ぬぞ”と脅された!」などと反発する。

 

それでも俺は、相手に本当に長生きしてほしいと思うから、

反発されようが、悪口を言われようが、言うべきことは言う。

もちろん彼に対しても、そうだった。

 

だが彼は、彼の行く末を本気で考えているひとたちの話を聞かず、

やりたい放題やった末に、あの世に旅立ってしまった。

おそらく、悪事を画策したものの、現実には辻褄が合わなくなってきて、

追いつめられるストレスもあったのだと思う。

 

彼も無念だろうが、俺も無念だ。

「もっと長生きして欲しかった!! この、バカたれが!!」