帯状疱疹との闘い
若い頃に患った帯状疱疹が、今でもちょいちょい出てくる。
顔や身体がピリピリと痛むし、水ぶくれもできるしで、けっこうきつい。
帯状疱疹に限らず、体調が悪くて医者に行くと必ず、
「このままでは失明する」「糖尿病になる」「脳梗塞になる」……
など、恐ろしいことばかり宣告される。
対処法としては、睡眠をしっかりとる、ストレスをためない、栄養をとるなど、
要するに免疫力を上げる生活をしなさい、とアドバイスされるのだが、
俺の場合、どうしても仕事が第一優先なので、なかなか難しいところである。
するとどの医師も、「いったい何のお仕事をされているのですか」と聞いてくる。
俺はもちろん、「肉体労働です」と答える(笑)
周りのひとは、身体だけは大事に……と気遣ってくれるが、
俺自身は、もう何十年もこの調子なので、そんなに悲観的でもない。
むしろ、一つのシグナルと捉えている。
帯状疱疹が出ると、さすがに激務や夜の飲みは避けざるを得ないので、
溜まっていた本や書類に目を通すなど、そういう時間に充てる。
すると、ちょっと焦って仕事をしていたな、とか
急いで物事を考えすぎていたな、ということに気づく。
身体的にはきつくても、こころにはゆとりを持てるんだな。
帯状疱疹は、俺のオトモダチだと思って、これからも仲良くするしかない。