俺の役割

昨日のテレビ放映に関して、

他の番組ですでに放映されていた内容であったにも関わらず、

たくさんの反響があったようである。

 

当ブログにも、こころのこもったコメントや

応援の言葉をいただき、ありがたい限りである。

 

しかし、こういう放送があると、

俺のことを、精神科医療の専門家か何かと勘違いして

「押川先生に、うちの子供を“診て”もらいたい」

などという問い合わせが増える。

 

真実として理解してほしいのは、

彼が、あの状態にまで快復したのは、ひとえに医療機関の専門家や、

受け入れ施設の専門職員の力による、ということだ。

 

俺はただ、ぐちゃぐちゃした家族の問題にぶつかっていき、

実は最も困っている当事者と話をし、

本人の生命や身体を守ってくれるしかるべき場所へと、つないだだけなのだ。

 

俺は、“家族の問題を解決する”ために “ヤバい現場にも行っちゃう”、

そういう役割だと、自認している。

 

その家族が、問題意識を持って相談してくる内容の多くが、

こころの病気であり、薬物依存であり、ひきこもりであり、

ストーカーであり、その他違法行為であった、というだけで、

俺が、“精神疾患に関する専門家”というわけではないのだ。

そんな立派な人間に思われると、むしろ、やりにくくなっちゃう。

 

この先、まったく違う類いの“家族の問題”が現れたときには、

俺はまたイチから、そいつに取り組むことになるだろう。

 

ディレクターさん(取材・番組作成も含む)は、

俺自身よりもずっと、その本質を見てくれていて、

「僕も、“統合失調症の番組”を作ったわけではないです。

ただ“困った家族の悩みに押川さんがぶつかっていく”姿を撮っただけなんです」

と、言ってくれた。

 

この言葉を受けて、改めて俺は、

自分の立ち位置、これから向かうべき方向性が、分かった気がする。

 

俺は「お・し・か・わ・じゃっ!」てことだ。

 

関連記事

俺は何のスペシャリストか