お金、理想、欲求
家族との面談の席では具体的な答えを求められるので、
「こうしたほうがいい」「こうするしかない」というような、
ある一定の解決策を、俺なりに提示している。
でもその一方で、たくさんの家族の相談にのっていて、
「なんで、家族で解決できねーのかな?」という根本のところを、よく考える。
なぜかと言うと、たしかに一昔前の家族は、
世間体や見栄を気にして、本人を精神科医療につなげられていない、
というケースが圧倒的に多かった。
しかし最近の家族は、あらゆるところに相談に行っているし、
過去に医療にかかったことがある、というケースも多い。
それでいて、問題解決どころか現状維持さえできず、
本人の状態も、どんどん悪化している。
その答えとして、一つ、最近、俺が気づいたのは、
このような家族(親)ほど、「お金、理想、欲求」の三つが強い、ということだ。
問題解決(ようするに本人のため)に、お金は使いたくない。
だけど、「こうなってほしい」という理想と、
「こうしたい」という欲求は、富士山並に、高い。
そんなうまい話、あるわけないのだが、
家族は、この「お金、理想、欲求」のトライアングルの中で、
本人をも振り回してしまっている。
同じような問題を抱えていても、解決できる家族、できない家族がいる。
両方を見てきた俺としては、「お金、理想、欲求」を一旦スパッと手放してこそ、
本当の解決が見えてくるんじゃないか?
と、最近は思っているのだ。
この点については、もう少し考察を重ねていきたい。