気が合わない親子

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(以下引用:読売新聞 2015年1月13日)

 

子供に向精神薬処方増…注意欠如などで2・5倍

 

子どもへの向精神薬の処方件数が増加し、13歳~18歳では、2002年~04年と08年~10年との比較で、注意欠如・多動症に使うADHD治療薬が2・49倍、統合失調症などに使う抗精神病薬が1・43倍になったことが、医療経済研究機構(東京)と国立精神・神経医療研究センター(同)などによる初の全国調査で分かった。

 

調査は、02年から10年の間に、外来診療を受けた18歳以下の患者の診療報酬と調剤報酬の明細書約23万件を分析した。1000人あたりの向精神薬の処方件数などを算出し、統計解析で年齢層ごとの処方件数の年次推移などを比較した。

 

02年~04年と08年~10年の処方件数を比べると、13歳~18歳ではADHD治療薬と抗精神病薬の増加に加え、抗うつ薬の処方も1・31倍となっていた。6歳~12歳でも、ADHD治療薬が1・84倍、抗精神病薬が1・58倍と増えていた。

 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150112-00050099-yom-soci

 

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未成年の精神科受診に関しては、俺もけっこう相談を受ける。

 

投薬も含めた精神科での治療が必要と思われるケースもあるが、

どちらかというと、家庭環境や親子関係を見直すべき、

と判断できるケースのほうが、多いように思う。

 

精神科医療の力を借りるにしても、子供だけ治療を受けさせるのではなく

家族療法を受けるなどして、親も子供への理解を深め、

互いがコミュニケーションスキルをつける必要がある。

 

しかしそういった家庭の親ほど、自らの力不足を認めたくなくて、

手のかかる子供を「こころの病気」として扱いたがる。

 

記事にあるような、子供への向精神薬の処方件数が増えている件についても、

簡単に薬を処方する医師が増えていることは事実だが、一方で、

強引に病名をつけさせたり、「薬が効かない」とあれこれ変えさせたり、

いわゆるモンスターというべき親も、増えているのではないか。

 

子供が自分の言うことを聞かない、躾が入らない、問題行動ばかりとるからと、

「我が子なのに、理解できない。この子は病気ではないか?」

と相談にくる親が増えていることを体感し、俺は思った。

 

親子といえども人間なのだから、気が合わないことだってある。

気が合わない子供を、「理解できない」といって、

病気や障害の型にはめようとするのは、あまりに短絡的である。

 

日常で子供と接し、面倒をみたり躾をしたりする時間は、

母親のほうが圧倒的に長いと思うのだが、母親だって人間だ。

とくに子供が二人も三人もいれば、

「この子とは気が合うけど、この子とはどうも……」

と思ってしまうことだって、あると思う。

 

俺の経験からすると、母親が「気が合わない」と思う子供は

だいたい父親に似たものを持っているんだよな。

それも母親がふだんから苦々しく思っているところ……

だらしない、すぐ感情的になる、金遣いが荒い、偏った趣味があるなど、

そういうところを子供が引き継いでいるから、よけいにカッとなって、

なんとか型にはめて育てなくちゃ! と思ってしまう。

子供からしたら、たまったものではない。

 

こういうときは、気が合う父親のほうに対応を任せるなり、

父親に本人とじっくり話をしてもらうなりするのも、一つの手だ。

 

もちろん親として最低限の躾(遵法精神や倫理道徳)には口を出すけど、

母親はあくまでも、一歩ひいたところで見守る、というスタンスをとる。

 

これは父親と母親が逆になった場合にも言えることだ。

俺が思うに子供は、顔つきや体つきが似ている親とは、

やはり考え方や趣味嗜好も似ているように思う。

ようするに、気が合うってことだ。

 

ただし親が離婚しているような場合には、

どうしても子供と一対一の関係になりがちなので、

第三者の助けが必要となってくるだろう。

それは治療云々というよりも、気の合わない親子の間に入って、

うまくバランスをとってくれる存在のことである。

 

子供が未成年のうちほど、学校の教師や保健師(養護教諭)、

スクールカウンセラー、児童相談所など、介入してくれる専門家は多い。

しかしいずれにしても、最終的なところは、

親の考え方、親の子供への接し方に帰結する部分が大きいことを、

忘れてはならない。