都会では生きられないひとたち
俺が携わっている、心を病んだり、犯罪に手を染めたりしているひとや
大手企業に勤めていても行き詰まっているようなひとをみると、
「このひと、都会に住んでいなかったら
もっといい人生を送れるんじゃないか」
と、思ってしまうことがある。
都会の暮らしが、絶対的に向いていないのである。
とくに20~30代で、人生につまずいているような奴らと話していると、
「無理してるな~」と思うことが多い。
そういう奴ほど、進学を機に地方から出てきていている。
俺が、「一度、つまずいたんだし、田舎に帰ってやり直せば?」と言うと、
「田舎に帰ったら負けなので」と返してくる。
「せっかく東京に来て大学も出たんだし」というこだわりがあるのだ。
俺としては「頑張ってね」と言うしかない。
もう一つは、親の世代から首都圏に住んでいるけど、
もともとは両親ともに地方の出身です、というタイプのひと。
親自身は自分の都合や意思があって都会に出てきて、
やりたいことをやって頑張れているかもしれないけど、
子供は明らかに、田舎ののんびりした、
おおらかな生活のほうが、合っているように見える。
子供の頃から勉強も頑張って、それなりの学校に行って
知的労働に就いてはいるけど、本来は農業漁業のような
自然の中でする仕事のほうが、向いているように思えたりもする。
両親の故郷のものだと思われるDNAが流れているんだろうな。
自分の身の丈に合った生き方をしたいと思うなら、
親だけじゃなくて、三代前くらいまでさかのぼって調べてみると
案外、「自分らしさ」というものが見えてくるのではないかな。
俺は最近、そんなことをつらつら考えている。