忘れるしかない
この間、昔の仕事のことでどうしても思い出せないことがあって、
「俺もいよいよボケが始まったか……」と、さすがに不安になった。
でもうちのスタッフに言わせれば俺は、
終わったことに関しては、すぐに忘れるタイプらしい。
ついでに、「同じ話を何回もしていますよ」とも言われた。
俺は思わずこう言い返した。
「過去を逐一覚えていたら、危険すぎることに嫌気がさして、
この仕事は、もう辞めているよ!!」
今でこそ、視察などの事前調査も念入りに行っているが、
かつては、家族から緊急の依頼を受けて即出動というようなこともあり、
結果として、危ない経験やきわどい思いも、たくさんしてきた。
今までよく命を落とさなかったなあ……と思うこともある。
俺の中での「危険メーター」は、毎回振り切れていて、
だからこそ、過去のことはどんどん忘れていかないと、
次の案件にとりかかることができないのだ。
逆に言えば、俺がこの仕事を続けてこられた理由は、
「助けてほしい」という家族が常にいたからだ、とも言える。
ほとんどの家族が、さまざまな意味で「命」の危険にさらされていた。
だから俺は毎回、「この家族の問題を解決しなければ」と、
目の前の案件に集中するしかなかった。
その継続が、仕事の継続だったにすぎない。
俺は常々、本質だけを短い言葉で言える人間になりたいと思っている。
だから本質以外のことをあっさり忘れるのは、俺なりの消化方法なのだ。
このブログでも、俺は何回も同じことを言っている気がするが、
俺がそれを、大事な本質だと思っているからなんだよ!
決してボケているわけではないからね!!