ダマテン
この間、某企業の社員さんたちと話していたとき、
彼らが「押川さんには、ダマテンしませんから!」としきりに言う。
ダマテンとは、「黙って(リーチをかけないで)テンパイの状態でいる」という麻雀用語だ。
「麻雀やっているわけじゃないのに、何だ?」と俺は言った。
すると彼ら曰く、最近は、とくに30~40代のサラリーマンの間で、
この「ダマテン」=「黙って何かをする」人間が多いというのだ。
大きな会社ほど、派閥のようなものがあるし、
誰がトップに立つかでも、体制はまったく変わる。
だから、自分に合う潮目が来るまでは、
10年でも20年でも、腹のうちを隠して、黙ってやり過ごす。
そうやって潮目が来たときには、素早い変わり身を見せたり会社をやめたりする。
よく夫婦でも、くだらない会話や小さな言い争いはたくさんするのに、
大事なことは何一つ話しあわないまま、黙ってやり過ごし、
子供が成人したり、相手が定年退職したりしたとたんに、
どっちかが離婚を切り出すというパターンがよくあるけど、そういう感じかな。
ひとそれぞれ、考え方があるのだろうけど、
俺は「ダマテン」みたいなことは、絶対に無理だと思った。
新しいチャレンジや楽しい仕事は、すぐに周りと共有したいと思ってしまうし、
そういう風通しの良さがないと、うまくいかないと思っているからだ。
だいたい一年中、便秘しているみたいで、健康に悪そうだし。
いつも思うことだが、携帯電話やメール、SNSなど、他人とつながる手段は、
昔では考えられないくらい多種多様になったけど、
そこには、上っ面だけ整えたような言葉ばかりがあふれていて、
本音の会話や、会話を通じたこころのぶつかりあいが、減ったように感じる。
これも時代の流れで、仕方のないことなのかもしれない。
でも、せめて家族という小さな共同体の中では、「ダマテン」せずに
本音で話したり、ぶつかりあったりすることを、恐れないでほしい。
それをしない家族ほど、いつか不安や悩みを抱えることになる。
そうなってから焦っても、関係はスカスカで、底力もない。
これは、俺がいろんな家族を見てきた結果、言えることだ。
お知らせ
二月末の自著の出版を、以前からお知らせしてきましたが、
「万全のタイミングで出版する」ために、発売日を延ばすことにしました。
待っていてくださった方には、申し訳ありません。
発売日を決め次第、またブログでお知らせします!
俺は、「ダマテン」はしねーからな(笑)!