100人中96人
俺が仕事をするときに一番大事にしているのは、
「誰のためにやるのか」という軸を、自分の中に持つってことだ。
働いていれば、難しい問題・課題もある。
悩んだり、苦しんだりもする。
ただ「金のため」「名誉のため」というのでは、頑張りきれない。
「このひとのため」という思いがあってはじめて、きついことも踏ん張れる。
俺の本業でいえば、
クライアントである家族を、こころから信頼できるかどうか。
それに尽きる。
家族の中にたった一人でもいい。
「この親父さんのために」「この兄弟のために」と思える相手がいれば、
きついことも危ないことも、苦じゃなくなる。
じゃあ、組織相手の仕事となったときは、どうか。
相手がどんなにでかい企業だろうと、俺には、その会社に対する義理はない。
やっぱり、「このひと!」と思える人間がいるかどうか。
それだけだ。
そして、俺が「このひと!」と思うひとは、だいたい、
結果を出すために、むちゃくちゃ言ったりやったりするから
人間のストライクゾーンがすごく狭い。
分かりやすく言うと、「100人中4人からしか好かれていない」ような人物だ。
そういうひとだから、突然、へんぴなところに飛ばされたりする(笑)
それで手の平を返して離れていく奴もいるけど、俺はそうはしない。
どこに飛ばされようが、降格しようが、そのひとの人間性は変わらないし、
それに、彼らが必要とされるときが、必ず、再び巡って来る。
これは、押川の経験による統計だけど、間違いない。
なんでかと言うと、組織というのはどうしても、業績に波がある。
いい波が来ているときは、100人中96人から好かれているような、
俺からすれば、「当たり障りのない」人物でも、会社をまわせる。
だけど悪い波が来たときには、
それこそ100人中4人からしか好かれていないような、
強烈な個性をもち、図太くリーダーシップをとれる人物でなければ、
会社を立て直すことができない。
そして、そういうひとが返り咲いたときには、
人間力がさらに増していて、ますます面白い仕事をやり出すんだよな。
だから俺は、大きな組織を相手に仕事をするときは、山ほどいる人間の中から、
「100人中4人からしか好かれていない」ようなひとを見つけ出し、
仲良くすることにしている。
俺なりの、人間の見極め方だ。
まあ、「100人中96人から好かれているひと」は、
俺みたいな人間と仲良くする必要なんかないから、
そもそも、相手にしてくれねーんだけどな!
お互い様ってやつか(笑)