福岡の美点
今日は、グループホームに入所している患者さんの面会に行った。
かつて俺は、入院治療を拒んでいた彼を説得し、医療につないだ。
その後、症状が落ち着き、現在は施設で暮らしている。
会うのは久しぶりだったが、顔色も良く、笑顔もみられて安心した。
未だに幻聴が聞こえることがあり、辛いときもあるそうなのだが、
彼なりに、今の生活になじもうと頑張っている。
職員の方に聞いたところ、最近は社会性が出てきて、
作業やイベントにも少しずつ参加できるようになったという。
嬉しい限りだ。
面会からの帰り道、うどん屋に寄る。
見た感じは洒落っ気のかけらもない立ち食いうどんなのだが、
いつ来ても駐車場は満杯で、なかなかの人気店だ。
福岡には、こういう穴場的なメシ屋がたくさんある。
うどんを完食。
腹一杯になって、帰りの車を運転しながら、
うどん屋で働いていたおばちゃんも、グループホームの職員さんも、
みんな一生懸命、仕事しよるなあ……と思った。
この素朴な一生懸命さは、東京ではあまりお目にかかれない。
福岡の美点の一つだ。