道をきわめる!!
念には念を入れて、ヘルメット装着して変装のうえ、視察。
近くで仕事をしている本職の警備員のおっちゃんが
現場に通いつめる俺の事情を慮ってくれたうえで、
今日は、アイスコーヒーの差し入れをしてくれた。
ありがたい話である。
事務所のスタッフからは「似合いますねえ~」と言われたが
なんやかんやで20年以上、「現場道」を歩いてきたのだから、当たり前だ。
そもそも若い頃、俺は自分のツラを見て、
「俺にできるのは現場仕事しかねーな!」と悟り
警備業のアルバイトをはじめた。
その「道」を邁進してきた結果、今がある。
今となっては、現場系(ガテン系)の服なら、何を着ても
それなりに見えるんじゃないかとすら、思う。
警察官がいっぱい来た移送の現場では、居あわせた人間から
「押川さんも、捜査員にしか見えませんね」と言われたし、
ヤクザなスーツを着ていれば、「ヤクザだ」と言われる。
白衣を着て病院に立っていれば、やり手の医者にでも見えるんじゃねーかな?
その中で俺が、絶対に似合わねーと確信できるのは
スーツ着て、役所の窓口に座ったり、大企業でデスクワークしたり、
そういうことだな。
想像するだけで、浮きまくってしょうがないだろ。
ツラ構えには、仕事の向き不向きまで、
全部が現れるような気がする。
若い奴らは、適職診断なんて受ける前に、
まずは自分のツラ構えをよく見て、
仕事を選んだ方がいいんじゃなかろうか。
その中で、知的労働だろうが肉体労働だろうが、職種がなんだろうが、
一生懸命働く奴は、働いて、それなりのツラになっていくし、
適当な仕事しかしない奴は、マンガか虫さんかっていう顔になっていく。
ヘルメットかぶって汗だくに蒸れた頭で、俺はそんなことを考えた。