おっさんはこきつかわれる
俺は今年で47歳になるのだが、
自分の中では「もう50やな」という気持ちでいる。
若い頃は、なんでもがむしゃら、
ひとをみる目もなくて、ただただ突っ走ってきたわけだが
知識も経験も積んだ今は、さすがに「慎重」さも身についた。
それはそれで、できる仕事の幅も広がるのであるが
ともすると慎重になりすぎて、足踏みしてしまうこともある。
固い頭で、あれもこれもと考えすぎてしまうんだな。
そんなとき、20代の若いスタッフから、
「押川さん、その考えは、甘いんじゃないッスか?」
「これはこうした方がいいんじゃないッスか?」
と、ビシッとダメ出しされることがある。
なるほど、言っていることはもっともだし、
ふだんから頑張って結果を出している奴の意見だからこそ、
「おっしゃるとおり」と耳を傾ける。
「こうした方がいい」「これをするべきだ」
と言われれば、喜んでこきつかわれもする。
皆さん、俺のほうが威張って若者をこきつかう
そういうイメージがあるかもしれないが、
実際の現場では、こんなもんだ(笑)
だけど、俺の周りの同世代って、ひとのやることにケチはつけるけど
いざとなると、自分の意見やアイデアは出さない、やらない……
という、本当に不真面目な奴が多い。
だから俺にとっては、
若い人間が自分の意見を持って真正面からぶつかってきて、
ときどき俺に無理難題をふっかけてくることが、
楽しくて楽しくてしょうがないのだ。
人間50にもなったら、
若者からこきつかわれることが大事だな。
俺はそう思った。
「このおっさん、使えねーな」
と思われることほど、哀しいことはないし。
だけど大半の大人は、こきつかわれることをかっこ悪いと思い込み
若者相手に知識や経験をひけらかして威張りちらすだけで、
アイデアや話に、真摯に耳を傾けようとしない。
そんな姿を見ていると、仕事ができないとか頭が悪いとかいうよりも
「いい年こいて、性格が悪いな!」と思っちゃうんである。
性格が悪いと、いくら知識や経験や能力があっても金にはならんし、
楽しいことも降ってこないのにな。
明日も頑張って喜んで、こきつかわれよう!