ストレスは敵か!?
ストレスというとそれだけで悪者扱いされる。
おまけに近頃は、上司に叱責されたとか、恋人にふられたとか、
生きてりゃいくらでもあるようなことまで、
なんでもかんでもストレス扱い。
だけどストレスって、悪いばかりじゃないと思うんだよな。
というよりもむしろ人間は、
多少はストレスやプレッシャーのある生活をしないと
どんどん堕落していくだけだと思う。
俺は、いわゆる「ひきこもり」のひとたちをたくさん見てきた。
そのなかには、実際にはどこも悪いところなんてないのに、
こころの病気を隠れ蓑にして、親に依存した生活を送っているひともいた。
彼らは、仕事も社会参加もせずに、好きな時間に寝起きし、
親の金で好きなものを食べ、好きなことだけして生きていた。
羨ましいと思うだろうか?
実態をたくさん見てきた俺は、そう思わない。
なぜなら、なんのストレスやプレッシャーもなく、
ただ好きなことをしているだけの人間の顔は、
正直言って、良い人相とはいえないからだ。
それに俺が携わる対象者は、だいたい30~40代が多いのだが、
社会で一生懸命働いて生きている同年代の奴らに比べると、
10歳も20歳も年をとってみえた。
それも苦労をして老けているというのではなくて、
「生」のエネルギーが感じられない、
「枯れている」としか言いようのない、年のとり方なのだ。
そういうひとをたくさん見てきた俺からすると
社会参加して適度なストレスやプレッシャーを受けることは
生きるうえで大事なことなんじゃないか、と思うわけだ。
病気が理由で就労が難しいひともいるだろうけど、
入院中なら、院内での作業療法やイベントもある。
行政の自立支援を利用して、就労訓練などをする方法もある。
もちろん、うつ病になったり、過労死したりするほどの
ストレスやプレッシャーではまずいのだが、
病気だからといって、それをすべて排除する生き方は
人間から「生」のエネルギーを奪うことと同じような気がする。
とくに仕事をしていれば、ストレスやプレッシャーもかかる。
悩んだり苦しんだりもする。
でも実は、それは自分を苦しめることではなく、
自分を活性化させることなのだ。
そう考えると、明日、仕事で誰かから
理不尽なことを言われてムカッとくることがあっても、
「おかげさまで細胞が若返りました」
と思って、ニッコリできるんじゃないかな!