俺にとっての宇宙の法則
「“何の仕事をしても稼げる人間”にならなきゃな」
これは、俺が中学生のときに気づいた、宇宙の法則である。
中学くらいになると、進路だなんだの話が出てきて、
周りの奴らも、「将来は○○の仕事に就きたい」などと言い出し、
ひとが変わったようにシコシコと受験勉強を始める。
大人はそういうのを、「君たちには自由がある」とか
「夢のために頑張れ」とか言っていたけど、俺からすると
「そこに本当に、自由や夢があるのかッ!?」ってな感じだった。
だってそういう大人の大半は、
組織や会社に縛られて、まったく自由には見えなかった。
俺は、本物の自由が欲しいと思った。
そんで、どうやったら本物の自由が手に入るか、
ない頭で一生懸命、考えた結果が
「“何の仕事をしても稼げる人間”になる!」 ってことだったんだな。
そうすればとりあえず食うには困らないし、
食うに困らないという自信こそが、
最大の自由の源になるんじゃないかと考えたのだ。
その後、俺はことごとくレールをはずれて生きるのだが、
最初に肉体労働を選んだのも、それが「働く」基本だと思ったから。
事実、肉体労働によって、心も身体も存分に鍛えてもらった。
そして、自分で警備会社を興した20代の時に、
超スーパー弁護士である西幹先生という恩師に出会った。
西幹先生は俺に、こう言った。
「肩書きで生きていくのではなく、
『押川剛』という名前で生きていけるようになりなさい」
ホント、しびれたね。
もちろん当時は、「警備会社の若社長!」なんて周囲からおだてられて、
ちょっと調子に乗っている時期でもあったし、
まだまだ、肩書きに頼る生き方をしていた。
それからは、西幹先生の言葉を実現できるよう
それを目標にして、やってきた。
俺は数年前、ようやく自分の名刺から肩書きをはずした。
俺は今、精神保健分野を本業に、一生懸命仕事をしているけど
もし何かのはずみでこの立場を失ったとしても
正直言って、まったく困らないし、悩まない。
今なら、別のやり方で俺の志を遂げる自信があるし、
もし何もかもダメになったときには、
「また、身体いっこから始めればいいや!」 という気持ちがあるからだ。
今、そう思えるベースにあるのは間違いなく、
「“何の仕事をしても稼げる人間”になる!」という宇宙の法則であり
その法則にのっとって生きてきた経験なんだな!