家庭という無法地帯
傷害:ハンマーで弟殴り、容疑で23歳大学生を逮捕 右京署 /京都
(毎日新聞 2015年6月20日)
家族で食事中、父親の顔殴り…死なす 40歳息子逮捕 食事作法めぐり口論
(産経新聞 2015年6月22日)
「幼いころから恨み」兄をおので切りつけ 30歳の女、殺人未遂容疑で逮捕
(産経ニュース 2015年6月24日)
(毎日新聞 2015年6月24日)
(産経ニュース 2015年6月25日)
毎日のように、家族間の殺傷事件が起きている。
社会がこれだけ成熟し、法が整備され、ルールも増え、
なにかというと危機管理・コンプライアンスが叫ばれる時代になったのに
家庭だけは、未だに「無法地帯」であることを思い知らされる。
しかしこの現象は、当然のような気もする。
俺がこれまでに見てきた、問題を抱える家庭では、
親自身が、遵法精神、倫理道徳観を無視した、
まさに「マイルール」の家庭運営をしていることが多かったからだ。
明らかな法律違反はしていなくても、ひとの道に外れた生き方、
他人を平気で傷つけ利用する生き様を子供に見せている。
子供に対しても、自分たちの都合で客観性のない子育てをし、
押さえつけたり縛りつけたり、あげく面倒になると放置する。
そういう身勝手な親の姿を、俺はたくさん見てきた。
親自身が法を遵守し、倫理道徳に則って生きているか?
「ひととして」筋を通した生き方をしているか?
たとえそれが我が子であっても、一人の人間として尊重し、
筋を違えない接し方をしているか?
血のつながった家族であっても、簡単に命を奪い合える。
こういう時代だからこそ、親の姿勢が試されているのではないかと
俺はつくづく思うのである。
そしてもう一つ。
現実に問題勃発といった事態に陥ったときには、
「家庭内の問題」(とくに親子の問題)ほど、
個人情報だの、危機管理・コンプライアンスだのの言葉に阻まれて、
専門家や専門機関にも、なかなか動いてもらえない。
ここでも、親自身が法や制度、仕組みを理解しているか?
おかしなこと、筋を違えることを言っていないか?
子供と真剣に向き合っているか?
親の「人間として」の姿勢が、見られているのだ。