いつから、はつらつ
いつも髪を切ってくれている、理容師の友人が、
先日、俺の頭頂部を眺めながら、しみじみと言った。
「お前も、頭頂部の毛が、だいぶ薄くなってきたなあ……」
そうだな。俺もそろそろ50代に突入する。
髪の毛も薄くなって、頭が光ってくるお年頃だ。
しかし50代といえば、会社なら重要な役職に就く頃であり、
ひいては社会において、しかるべき役割をはたす年代となる。
つまりは、人生において最も「はつらつ」としていなければならない時期だ。
おそらく多くのひとが、「はつらつ」と言われれば
10代20代の青春期を、漫然と思い浮かべると思う。
でも俺は、そうは思わない。
いろんな経験を積んできた50代こそ、若い奴らに負けないくらい
「はつらつ」としていなきゃ、マズイだろー!
俺は大学を中退してからは、本当に仕事ばっかりしてきて、
かなり無茶なことや無謀なこと、痛い思いもいっぱいした。
プライベートでの楽しい思い出なんて、ほとんどないし、
当時の俺のほうが、今よりもずっと、暗くて険しい顔をしていた。
でも、今になって思うことは、あの時期にめいっぱいきついことをして、
パワーやスタミナを溜めておいて良かったな、ということだ。
年をとれば、体力も記憶力も集中力も、格段におちる。
これは、どんな人間でも避けられない。
その分をカバーして、50代らしい「はつらつ」さを発揮できるのは、
知識や経験ももちろんだけど、一番は、「胆力」。
これに尽きると思う。
若いひとに言っておきたいのは、
今、あんまり「はつらつ」と遊び過ぎちゃうと、
パワーもスタミナも溜まらないし、
「胆力」も鍛えられないよ、ってことかな。
年くったときに、頭頂部だけピカッと光って、
笑顔がちっとも光ってないんじゃ、笑えないだろ。
理想とする「はつらつ」な50代を迎えるために、
これからも思いきり振り切って、頑張るつもりだ!!