シリコンバレー(サンノゼ・サンフランシスコ)訪問記①
今年の8月、俺はアメリカ西海岸にある、シリコンバレーを訪れた。
観光が目的ではない。俺の大学時代の後輩で、西海岸で仕事をしている奴がいるんだが、その後輩の関係者に会って挨拶をするために、渡米したのだ。要するにビジネスがらみだ。宿は、後輩が住むサンノゼのマンションに泊めてもらった。地中海気候なだけあって、毎日天気がよくって、気持ちがよかったな。
俺は、学生時代の修学旅行をのぞいて、旅行というものをほとんどしてこなかった。数年に一度、仕事が空いたときに、ぷらっと京都辺りに行くことはあったが、美味いメシを食って、鴨川を眺めたら、終わりだ。見学とか観光ということ自体が、あまり好きではないのだ。
そんな俺だが、せっかくシリコンバレーまで来たのだからと、ベンチャー企業のインテル、グーグル、フェイスブック、アップル等を見学してきた。俺は、こういうときにも、自分の感性だけを頼りにしている。説明や解説の類を、ありがたがって見たり聞いたりしても、意外とすぐに忘れてしまうからだ。
こういった初めての場所に来て(しかもこの分野では最先端の場所だ!)、自分自身が何を感じて、何に心ふるえるのか、俺はそれだけをつかもうと思った。
というわけで、このシリコンバレー訪問記は、あくまでも俺の感覚なので、そのつもりでゆるっと読んでほしい。
さて、このベンチャー企業巡りの中で一番、印象に残ったこと、それは、インテルの共同創業者、ロバート・ノイスが掲げた、『Optimism』だ。
Optimism
(英訳)「楽観主義はイノベーションに不可欠のものだ。
進んで安定を捨て、安全な場所にとどまることに挑戦する以外に、なしとげられようか」
ロバート・ノイス
「楽観」!俺はこの言葉を身体で吸収した! 文句のつけようがない。オールOKだ!
このとき俺の頭の中には、いつも学者気取り、物知り博士気取りで、辛気臭い発言ばかりする、知り合いの業界人の顔が浮かんでいた。彼らもここに見学に来ればいいのにな! そしたらその後ろばっかり見てるメンタル、横向きくらいにはなるんじゃないの。
俺の仕事についても、これからは「楽観」がキーワードになると思ったな。ヤバい家族やヤバい現場が相手だけど、「楽観主義」も必要なんだよ。困っている人が「楽観」できるように問題を解決しよう!っていう、そういう熱い思いをもってやっていくぜと、俺はロバート・ノイスに誓った。
それからGoogleはやっぱりすごかった。
社内に庭があって、そこでスタッフたちが話をしたり、メシを食ったりしていた。スタッフの中には、犬を何匹も連れて打ち合わせに参加する人もいたし、就業時間のはずなのに、近くの駐車場で洗車をしている人もいた。駐車場にテントを張って、中で本を読んでいる人もいたな!
同行の後輩に「あの人は、なんでテントにいるんだろ?」って聞いたら「テントじゃないと、アイデアが出ないらしいです」って。とにかく面白かった。仕事が遊びの一部なんだな。
仕事なんだけど、好きなことを、楽しみながらやっている。「楽観人生」を謳歌するその姿は、ブスだろうが、デブだろうが、チビだろうが、俺にはハリウッド女優や俳優に見えたぜ。肌の色も髪の色も様々で、とにかくカラフルなんだ。明るくていいなあ!と俺は思ったね。
やっぱりアメリカは、人を受け入れる器が、超ド級にでかいよな。今までにも、メディアを通じてシリコンバレーやアメリカを観ることはあったけど、実際にこの目で見てみたら、インパクトが全然違った。
俺はベンチャー企業をいくつか訪問させてもらって、日本にいても、こういうふうに仕事ができればいいのになって思ったよ。でもなかなか難しいだろうね。カルチャーが違いすぎるからね。
そういえば、帰国してわりとすぐに「シリコンバレーでも貧困の差が広がっている」っていう新聞記事を読んだ。光と影があるのは、どの世界でも同じなんだな。でもアメリカは、影は影でも日陰って感じで、真っ暗じゃねーぞっていう力強さを、俺は感じた。
シリコンバレー訪問記は明日も書くからな!