押川の提言 ver.2017 (現場報告と提言)
現場報告 実態① |
地域移行により社会的入院が減った。その一方で、家庭や地域に「真に精神科医療が必要」な患者が放置され、 激増している!
地域移行の旗振りのもと、社会的入院を減らし、長期療養病床数を減らすことが、 【最強の宿題】をたくさん生みだしている。
現場報告 実態② |
【最強の宿題】とは=難治性で病識がない患者、精神病質が根底にある薬物依存症やアルコール依存症の患者で、未治療・受療中断・入退院を繰り返している、「措置入院、医療保護入院レベル」の患者の問題のことである。
注:精神病質者とは、自己中心的、他人への共感に乏しいなど性格的に偏倚(へんい)のある者。サイコパスとも呼ばれる。精神保健福祉法第五条において、精神障害者として定義されている。 |
俺への相談は、このような措置入院、医療保護入院レベルの問題を抱える家族からのものばかりで、長期のひきこもりが付随しているケースが圧倒的に多い。このような患者に携わるためには、事前に徹底した視察・調査を行い、それをもって行政機関や医療機関の専門家に会い、各機関をコーディネートする必要がある。
そして患者を説得し、その後の継続した人間関係を育むためには、「超・高度なコミュニケーション能力」が不可欠だ! 同一人物が長い時間をかけ、「超・高度なコミュニケーション」がとれて初めて、患者との「信頼」関係も生まれる。それがゆくゆくは、地域住民と患者の「信頼」の橋渡しにもなる。
地域移行が推進される今、社会復帰とは、地域住民の「信頼」を得ることである!
現場からの提言① |
精神疾患(あるいはその疑い)があるが、病識がないことにより治療を受けられていない患者を、いったい誰が医療につなげるのか。中には自傷他害の恐れのある患者がいることは避けられない事実で、そのような患者を地域でどう見守りつづけるのか。
現状では、精神保健福祉法第34条(医療保護入院等のための移送)など、執行されていない条文もあり、ルールはあるが機能していない。未治療や受療中断している患者の医療へのアクセスが確立されていないことが、今や事件として顕在化し、家族や地域住民が責任を負わされている。結果的に患者の人権や尊厳も守れていない。
保護者制度も廃止された今、運用が各自治体に任されている以上は、責任も各自治体の長(都道府県知事や市区町村長)が負うしかない。
【ルール】と【責任の所在】なくして、地域移行はなしえない!
精神科医療に治療放棄をさせないためにも、一刻も早く責任の所在を明確にし、ルールの整備をすべきである!
現場からの提言② |
精神疾患や精神疾患が疑われる対象者の危機的状況に、「説得」という手段を用い、社会的介入者として危機介入を行っている押川の存在は、現在の日本の精神科医療、精神科医療行政が迷走を極めていることの象徴である!
以下の三点によって、ルールの不備や、責任の所在についてもカバーでき、【最強の宿題】も解決できるようになる。当然のことながら、押川の存在も必要なくなる。
①【トータルコーディネート及び説得移送を行う機関(プロフェッショナル集団)】を設立せよ
②【難治性、精神病質などに特化した専門病院】を運営できるよう診療報酬の見直しをせよ
③【超・高度なコミュニケーション能力】をもつ精神科医療従事者を育成できる教育体制を確立せよ
以上が俺の提言ver.2017だ!