俺の人生哲学~『探偵物語』
『探偵物語』は、1979年9月18日から1980年4月1日まで日本テレビ系列で全27話が放送されたテレビドラマ。主演の松田優作の中期の代表作。
高校生の頃『探偵物語』の再放送を観た。
俺は子供の頃、夏休みのたびに東京の叔父のところに遊びに行っていたので、東京という街に対しての憧れは、同級生とは比べものにならないほどにあった。
とくに超高層ビルが建っていた新宿への憧れはそうとうなもので、新宿界隈がメインの『探偵物語』には、初めて観た時から ...
「老いる」という成長
新聞や本など、遠くに離さないと文字が見えなくなった。
顔の皮膚がたるんで、しわも目立つようになった。
年寄りに生えるような、太くて長い眉毛が生えてきた。
頭の毛もだんだん薄くなってきた。
白髪がぽつぽつと増え、鼻毛の中にも白髪を見つけた。
気づいたら、き○タマにも白い毛が生えていた。
俺は今年、45歳になった。最近は視覚的にも、「老いる」という成長を感じている。
老けることを嫌がる ...
シリコンバレー(サンノゼ、サンフランシスコ)訪問記③~写真編~
シリコンバレー(サンノゼ、サンフランシスコ)で撮った写真を一応載せておく。シリコンバレー訪問記①、②もぜひ読んでくれ。
インテル。俺がCMに起用されてもいい感じだな。
Google。俺も社員に見えるな。
アップル本社がある通りの名前。俺のシャツの色と妙にマッチしている。真似されたな。
サンノゼから車で一時間、サンタ・クルーズにて。
うしろに見えるのは、サ ...
シリコンバレー(サンノゼ・サンフランシスコ)訪問記②
シリコンバレーを歩いてみて驚いたのは、日本車が多かったことだ。俺が日本人だから特に、日本製の車に目がいったのかもしれないけど、6割くらいは日本車だった気がするな!車に関しては、やっぱり日本の存在感が際立っていた。
それから和食だな。俺は基本的に、海外のメシ全般が苦手なので、後輩にわがままを言って、日本食の店に連れて行ってもらった。びっくりしたのは、日本食レストランの経営者が、見事なまでに韓国人だらけだったことだ! 西海岸には、韓国人が多く居住しているみたいだから、そのせいかもし ...
シリコンバレー(サンノゼ・サンフランシスコ)訪問記①
今年の8月、俺はアメリカ西海岸にある、シリコンバレーを訪れた。
観光が目的ではない。俺の大学時代の後輩で、西海岸で仕事をしている奴がいるんだが、その後輩の関係者に会って挨拶をするために、渡米したのだ。要するにビジネスがらみだ。宿は、後輩が住むサンノゼのマンションに泊めてもらった。地中海気候なだけあって、毎日天気がよくって、気持ちがよかったな。
俺は、学生時代の修学旅行をのぞいて、旅行というものをほとんどしてこなかった。数年に一度、仕事が空い ...
異常な言動 クリスマス前が最高に激化する
11月に入ったとたん、街のショーウィンドウはクリスマス一色になった。すでにイルミネーションが灯っているところもある。この季節、俺の携帯には物騒な着信が増える。
「三鷹の女子高校生を殺したのは僕なんで、押川さんに話さないといけないことがあります」
「○○さん(うちの女性スタッフ)を殺しちゃったんですけど、押川さん知ってますか」
「殺人事件を起こしたんですけど、まだ警察が来ないですね」
長期の入院治療を余儀なくされている男性患者からの電話だ。多い ...
二人の兄弟
仕事に向き合うとき、「どうやってモチベーションあげるか」ってよく言われるけど、俺はむしろ、仕事そのものからモチベーションを得ていることが多いな。
この間も、俺の心を揺さぶるような仕事の依頼があった。依頼主は母親だったんだけど、事務所での相談の席には、二人の息子も同席した。二人ともまだ学生で、あどけなさが残る顔をしていた。
この母親の夫、つまり兄弟の父親は、数年前から精神を病みはじめて、繁華街のど真ん中で上半身裸になって叫んだり、自宅でバッド ...
コーヒー プレジデント
俺は小学校の三年生の時から、コーヒーをブラックで飲むようになった。近くに住んでいた叔父の影響である。母子家庭だった俺には、この叔父が父親代わりで、何かと影響が大きかったのだ。
叔父は「キリマンジャロの酸味が良いんだ」とか言って、家でも会社でも自分で豆をひいて、丹念にお湯を注いで香りを楽しみ、ゆっくり味わって飲んでいた。
そういう場面に俺が出くわすと、「たけしも飲め」と言って、コーヒーを飲ませてくれた。それは必ずブラックで、砂糖やミルクは入れさせてもらえなかった。小学 ...
暗記人間
昨日の記事で俺は、「暗記力がある」=「頭がいい」っていう風潮に疑問を投げかけた。それをまざまざと俺に見せつけてくれた、T男(仮名)の話をしようと思う。
10年以上前、俺がトキワ警備という会社をやっていたときに、ホームページを作ろうと思って、知り合いからこのT男を紹介してもらった。T男は大学卒業後、自分でWEB作成の会社をやっていたんだ。
初めて会ったとき、T男は腰が低くて、悪い奴には見えなかった。信頼していた人の紹介ってこともあって、俺は仕 ...
「頭がいい」ってなんだ?
俺はしょぼい大学をしかも中退した男だけど、これでもガキのときは、「頭がいい」って言われてた(笑)。……まあ地方の田舎のこと、しかも中学のときまでの話だけどな。
中学では、色んな地域の成績優秀者が選ばれる、「リーダー研修」ってやつにも選ばれたことがあって、俺は調子にのっていた。「勉強なんて、ちょろいもんだぜ」「本気出せば楽勝だな」って、余裕こいてた。でもそのうちに、なんか違うぞって気づいたんだ。
だって進学校を目指している奴の勉強量って、とんでもないんだよ。部活にも入 ...
長距離運転で感性を鍛える
数年前、福岡で自立・更生支援施設「本気塾」を立ち上げた。
施設といっても、そんな立派な建物じゃなくて、古い一軒家である。家庭内暴力、ひきこもり、薬物やゲーム、ギャンブル依存なんかで道をあやまった若い(悪い)人たちの、更生や自立を手助けしたいと思ってつくった塾だ。
そんなわけで俺は、だいたい月に一回は、東京と福岡を往復している。時間がないときは飛行機や新幹線をつかうが、車で移動することもある。
これはこの間、福岡から東京に戻ったと ...
血縁より他人
絵を描くとか、小説を書くとか、あるいは人間国宝級の芸術品を作り出すとか、そういう特別な、神様からもらった才能をもっている人は別として、それ以外の人たちは、老いも若きも、イケメンもブサイクも、金持ちも貧乏も、しょせんは他者とつながることで、世界を広げるしかない。
他者に心をくばって、うまく折り合いをつけて、社会とつながっていくってことをしないと、金も稼げないわけだし。
だけど、問題を抱えている家族を見ていると、正反対のことをしているんだよな。 ...
個の技量
誰もがうらやむような大企業に勤務して、なおかつ相当な上のポジションにいるのに、「しょせんはサラリーマンですから」って言う人がいる。この人は本質が見えているんだなあ、と、感心することしきりである。
企業に属している以上、 どんなに高い能力や素晴らしい人格を持ち合わせていても、ちょっとしたミスや部下の失態…、そんな理由でレールから外されてしまうことがある。そういう理不尽な目に遭っても、サラリーマンに文句は言えない。大企業であればあるほど、一度失格の烙印を押されたら、二度と這いあがれ ...
今日の1000円を追いかけるな!
仕事がら、様々な業界の人と会って話す機会がある。そのなかで最近とみに感じるのは、どの業界もみんな「金」のほうばっか向いてるな、ということだ。
どうやって金儲けするかってことだけじゃなく、どうやって金(経費)を使わずに仕事をするか。どうやって他人の懐から甘い蜜を吸うか。景気がよかったときの、明るいギラギラした感じじゃなくて、もっと切羽詰っているというか、ちょっとセコイというか、そんなふうに感じるときがある。今後ますます、その傾向は強くなるんだろう、とも思っている。
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死んじゃったのかと思ったよ
事務所の近くのコンビニで、ペットボトルのお茶を買って店を出たら、大勢の人が新宿駅の方に向かって、ぞろぞろと歩いていた。近くにある新宿文化センターで催しものなんかがあった日には、こうやって大勢の人がぞろぞろ歩いていたり、横断歩道でたまっていたりする。
俺は、その人ごみを避けるようにして歩き出した。そしたら! 人ごみの中から一人のおばちゃんが飛び出して来て、俺の腕をガシッとつかんだ。
「ちょっとちょっと! あんたテレビに出てなかった? 危ない仕事で……」
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張る!!
それにしても。
世の中には、だらっとした奴が蔓延しているな。
俺はふだん、現場に出ているか、仕事がらみで人に会っているか、二丁目のおかまバーで酒を飲んでいるか、行動範囲は意外と狭いんだけど。でも、いたるところで、だらっとしている奴を見かけるぜ。
まあ、飲みの席なんかではそれでもいいけど、気合いを入れなきゃならん状況でも、だらっとしている奴がいると、本当に困ったなーと思うよ。
頭も顔も性格も全部ワルい奴に限って、立ち居 ...
ヤバい事務所
俺の事務所は、昭和54年建造、耐震対策「オールzero~♪」の賃貸雑居ビルにある。明治通りを挟んで向こうは歌舞伎町。おかげで年がら年中、パトカーと救急車のサイレンが聞こえてくる。
18年前に入居した当時はそうでもなかったんだけど、最近はホストが集団で住んでいたり、中国語で喧嘩する声が聞こえたり、妙ちきりんなアロマの匂いが廊下に漂っていたり……、いい感じにでたらめな雑居ビルに育ってきた。
部屋の改修工事のときなんかに、エレベーター内の壁に緩衝材が張り巡らされることがあ ...
勃起する超高層ビル
俺は小倉(現北九州市)で生まれ育ったのだが、ガキの頃は、夏休みのたびに東京に住む叔父の家に、一人で遊びに行っていた。
当時、新宿には、超高層ビルがぽこぽこと建ちはじめていて、俺はそれを、テレビでよく見ていた。ニュース番組で、福岡から東京のニュースに切り替わる時に、必ず新宿の高層ビルのシーンが流れていたんだよ。
だから東京に遊びに行って、初めて実物を目にした時には、嬉しかったし、驚いた。想像以上にでっかい建物が、どうだ!とばかりにズドンとそび ...
東大話法
この間俺は、某一流企業の会議に参加した。
俺の手がけているあるモノ(ここでは大局的に商品と言っておく)に関する会議で、えらい肩書きのついた奴らが10人くらい集まっていた。なんでそんなえらい奴らが集まっていたかと言うと、その商品に関する、危機管理・コンプライアンスについての会議だったんだな。
そのメンツの中に、今では「○○センター長」という肩書きのついた、Pさん(仮名)がいた。Pさんは、数年前に出会った頃は、すごく気さくな人だった。何者かもわからない俺の商品価値を分か ...
現場という仕事
この間、テレビ業界のディレクターと酒を飲んでいて、なるほどなあと思ったことがある。
そのディレクターは、俺より若くて、ほとんどフリーの状態で映像の仕事をしている。彼は言った。「僕はずっとディレクターの仕事がしたいんですよね」。
ディレクターというのは、完全に現場の仕事だ。ネタになりそうな現場を探して、取材相手と人間関係を作り、昼夜関係なくカメラを回す。もちろん知識とかセンスも必要なんだろうけど、 内情を知れば知るほど、肉体労働だよなあと思う ...