つぶやき

俺は小学校の三年生の時から、コーヒーをブラックで飲むようになった。近くに住んでいた叔父の影響である。母子家庭だった俺には、この叔父が父親代わりで、何かと影響が大きかったのだ。

叔父は「キリマンジャロの酸味が良いんだ」とか言って、家でも会社でも自分で豆をひいて、丹念にお湯を注いで香りを楽しみ、ゆっくり味わって飲んでいた。

そういう場面に俺が出くわすと、「たけしも飲め」と言って、コーヒーを飲ませてくれた。それは必ずブラックで、砂糖やミルクは入れさせてもらえなかった。小学 ...